2019年08月20日
golf-D
今や7世代目となったフォルクスワーゲン・ゴルフにDが加わりました。ディーゼルエンジンを搭載した大衆車の復活!。気づけばもう二十年も空席になっていたゴルフのDです。
ゴルフにDが追加されたニュースを初めて目にしたのはもう四十年以上も前、第一次オイルショックから間もない頃のことでした。安価な軽油を主食とするディーゼルが燃費を大きく削減できるのは分かっていても、その音と振動の大きさ、高価なエンジンはゴルフのような大衆向けの乗用車には不向きと考えられていました。
事実、実際にそのころのゴルフDを運転してみると音も振動もかなり大きく、快適さではガソリン車にはるかに見劣りしたモノです。でも当時130円近くしたガソリンの半値程で給油できた軽油は満タンにしたって精々3千円前後。音も振動も我慢できないほどではなかった印象があります。
やがて日本を第二次オイルショックが襲い、各メーカーも真剣にディーゼル乗用車に注力しました。老舗格のいすゞは勿論、クラウンもスカイラインもDを追加、どの車種もカタログにはディ―ゼル車を容易に見つけられたものでした。
本来ならば、今頃日本では欧州の様にクルマの半分近くは安価な軽油を給油していたはず‥・・・そうならなかった一因は当時の東京都知事の責任も否定できません。
ガラス瓶に詰まったディーゼル微粒物を大げさに振って、ことごとく都市部に厳しい規制を発令、人気の中古車ランクル40のほとんどは首都圏から姿を消してしまいました。
欧州ではどの車種も数種類のディーゼルエンジンが選べるのが当たり前、日本でも高性能で静粛な新世代ディーゼルを積んだ欧州車がカラカラと軽快な音を響かせて通り過ぎるのを見るようになりました。
初代のゴルフでは、はっきり言って長距離ドライブはご免被りたいシロモノでしたが新時代のゴルフTDIなら、きっとどこまでも走り続けたくなりそう・・・・・欧米のテスト結果では高速巡行燃費が20KM/L以上(日本のごく標準的な速度域で)しかも、エンジン回転が2000回転を超えることはまずありません。
名神、山陽道を走り継いで尾道のフェリーに乗船し、対岸から尾道の景色を眺めに行っても・・・・あるいは関越道を新潟まで走り切って夜中の国道8号線を象潟、遊佐海岸と走りぬけ秋田・能代の海岸で朝焼けの日本海を眺めても・・・・・燃料タンクにはまだ、多少なりとも軽油が残るはず。満タンにしたところで片道五千円とコイン数個があれば足りてしまうはずです。そう考えるとどんなに長距離のドライブでも出かけたくなる牽引力を持ったクルマ・・と言えるかもしれません。