2019年04月23日

踏み違え?

池袋で87歳の元通産官僚がプリウスで暴走し横断歩道上の母娘を死なせたかと思えば神戸市三宮の駅前では64歳のベテラン運転手が停留所から急発進、若い女性ら2人の命が奪われました。

プリウスの元官僚は息子に「アクセルが戻らなくなった」と電話で話し、バス運転手はブレーキペダルに足を乗せていて急発進した、と証言しています。が、ブレーキランプは点灯していなかったことが判明。踏んでいたのはアクセルペダルだった可能性が高いと思われます。

マニュアル・ミッションのクルマが激減し、タクシーやバスですらAT車が当たり前の現在、右脚だけでアクセルとブレーキ、全く機能の違う2種類のペダルを踏み分けるという問題にもメスを入れなければならないのでしょうか?
地方都市の現状を知らない議員先生の中には高齢者の免許返上を声高に叫ぶ御仁もいらっしゃいますが、公共交通の実態や地方での生活を全く理解していない発言にはあきれるばかりです。
免許を取り上げるかどうか、よりも使える車種の限定免許とか、もっときめ細かな対応を考えても良いのではないでしょうか?

話は変わりますがバイクのアクセルとブレーキはハンドルグリップとブレーキレバーという別の動作、別の操作系統です。踏み間違えて暴走するバイク事故というのは聞いたことがありません(もしもあったらご指摘ください)
三輪トラックでもはじめの頃にはバイクのような一文字ハンドルを操っていました。昭和の中頃まで、そんなに太古の昔じゃありません。
もっと古い話をすれば元々アクセルは床にはありませんでした。ハンドルの真ん中に点火時期とワンセットで(ウィンカーレバーみたいな)小さなアクセルレバーが付いており、加速・減速は点火時期と同時にハンドルを握りながら操作したもんです。床には3つのペダル、ブレーキとクラッチ、それにもう一つギアシフト用のペダルがあって、変速操作は足だけで行ったものです(フォードT型の時代)
やがて、変速ギアを手で操作するようになり、点火時期の調整は自動化されて、アクセルレバーは床に降りてきました。ここが問題です。
速度を増やすアクセルと減速するペダルが隣り合わせ・・・・一歩間違えば!の世界です。クラッチペダルがあるうちはそれでも助かりました。半クラッチを上手に使ってスタートしないと急発進はできないからです。教習所でまず最初にぶつかる関門がこれでした。
クラッチペダルが不要になってもアクセルとブレーキの位置関係は従来のまま、そこで急発進の問題が顕在化してきます。日本でも80年後半から、度々ニュースネタにはなっていました。

かく言う私も白状すると2度踏み間違えを経験しています。ペダルを踏んでいる瞬間はブレーキと信じて疑わないのでことさら強く踏み込む傾向にあります。とっさの回避行動と言えばサイドブレーキを引くとかニュートラルに戻すとか・・・・・そこまでは実際に実行できましたがイグニッションを切る、左足でブレーキを踏む・・・・・までは落ち着行いて行動できませんでした。
とっさの事態に冷静に考えてペダルを踏みかえる、ということは恐らく理屈では解っていても実行できないと思われます。そもそも、アクセルとブレーキが並んでいることが根本的な問題。

今すぐアクセルを別の場所に移すのは現実的な解決策ではありません。が、ダミーのクラッチペダルに足を載せ、抜重しながらアクセル踏まないと発進できないフェイク・システムを高齢者ドライバーに義務付ける、くらいの政策は誰か立案しても良いように思いますが、・・・・・・・

| 22:24 | コメント(0) | カテゴリー:吉田雅彦

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