2018年12月09日
ハコスカストーリー
朝の第三京浜、追い越し車線を駆け抜けてゆく白いGT-R。ハコスカと呼ばれたスカイラインの第三世代に追加された4ドアのGT-R。六気筒ツインカムの快音を残して遠ざかってゆく。そういえば数日前にもこの付近で見かけたことのある車両だ。ナンバーから推察するに近年改めて登録されたものらしい。フルレストアを受けン千万円もするようなコンディションではなく、ウインドウ周りのモールやテールランプ周囲のガーニッシュにはそれ相応のやつれも見受けられる・・・・・・
想像するに、毎日の足に使われているか、足代わりのファーストカーとしてごくフツーの自家用車として使われている様子だ。ここまでコンディションを保ちつつ日常の足に使うにはそれなりの技量と知識が必要なはず.S20のレーシングエンジンだけが歌い上げるエギゾーストサウンドは、その少なくない労苦に対する報酬かもしれない。
1969年の初頭に発売されたスカGの最強バージョン,GT-Rは程なくしてマイナーチェンジを受け第二期モデルに移行する。1970年のハードトップ登場までの1年足らずしか生産されていないレアモデルの一台。ホワイトのボディは毎週のように丹念にワックスがけをされたふうでもなく、かといって醜い水垢の跡や修復の痕跡も見当たらない。
生産からまもなく50年が経過するというのにここまで大切に道具として愛用され、大切に維持されているGT-Rを見るのは貴重なチャンス。
こんなふうに一台の車を長い間グッドコンディションで走らせ続けることができたら、クルマもオーナーもどんなに幸せなことだろう・・・・今週、33年前に購入した一台のクルマを手放すに際してとっても心に刺さる一コマだった・・・