2017年11月05日
古本市、すずらん通りにて
読書の秋、という言葉を聞かなくなって数年。でもこの秋から週末強制的に活字に目を通す時間を作ってひたすら書棚の古い本に目を通しています。自動車関連の書籍もほとんど顧みられなくなってしまった昨今の古本市ですが、やっぱり今年も掘り出し物との遭遇を期待して神田の古書街を目指すとします。
わかってはいたものの、もはやこの界隈では書泉グランデの五階以外に頼る場所は無くなりました。すずらん通りの古本市にはカーグラを手放した二玄社のワゴンがあったもののF1技術解説書とアルファロメオの歴史本の二冊だけ、自動車大国だった日本の現状がこれかと思うと寂しい限りです。
で、結局書泉に向かい...
最近夢中になっっているのはCG選書のうち、60年代のスポーツカーをまとめた檜垣和夫さんのシリーズ。今月になってフェラーリやアルファの物を買い足して60年台後半のLe Mansを中心に海外レースの隆盛に思いを馳せているところです。
F1の王者フェラーリの連勝だったルマンに割って入ろうとしたフォードの台頭、ポルシェ初制覇までの道のりとフランス勢の台頭、オイルショックや規則変更で70年代にはスポーツカーレースも車両も大きく様変わりします。
フロントエンジンフェラーリが連勝記録を重ねていたところへフェラーリ買収に失敗したフォードが総力戦で臨んだGT40,いっぽうポルシェも初制覇目指して空冷6気筒のカレラ6,10を送り込む。役者揃いのプロトスポーツカーは少年(マンガ)雑誌にも度々取り上げられ、ボンドカーと人気を二分したと言ってもいいくらいの認知度がありました。
ポルシェが初優勝を果たしたあとは起死回生を図るフェラーリに地元フランス勢のマトラが肉迫、アルファロメオが後を追う展開となります。シャパラルの様な大排気量アメリカ車の排除を目的に3リッター規則を設定したり、オイルショックやイタリアの労働争議と、レースを取り巻く環境も激変した70年代にはフェラーリもマトラも撤退を決め、気がつけばアルファロメオが一人勝ち・・・・時代はターボ車の戦いへと節目を迎えます。
そんな10年足らずの期間が今見ても、とっても魅力に富んでいてレース展開も文字を通して当時の興奮が伝わってきます。新たに今回買い足したシャパラルとマトラの活躍にワクワクな週末が続いています