2017年08月25日
1935okinawa
六月に朝日新聞に掲載され話題となった80年前の沖縄取材フィルム。
いま、朝日新聞東京本社二階で一般公開(写真集販売も)されています
大阪の社屋移転に伴って偶然発見された277コマの取材フィルムは
見たところ35mmサイズの白黒フィルム。当時はライカ初期型の時代で
おそらくは、高価なライカ・カメラを取材に携えての沖縄取材だった
ことと想像します。デジタル処理の上現代に蘇った82年前の映像は
あたかも先週撮影され、現像したばかりの写真のように鮮やかで
シャープな映像が、高価なレンズを使ったことを窺わせます・・・・
記録には1935年の連載記事に該当の写真があり、取材者やカメラマンも
名前が判明したようです。朝日新聞は沖縄タイムズと共同で、被写体の
名前や撮影場所など丹念に探り出しています。中には残念ながら取材中に
鬼籍に入ってしまった人も
有名観光地でもない、ありふれた沖縄の日常を写した写真、同じ昭和の
時代にありながら、女性たちの服装は大半が着物、ショートカットの
髪型も希で、鉄道馬車や人力車がまだまだ現役。私たちが知っている
戦後の景色とはやはり大きく違います
・・・でも、ここには戦禍にさらされる前の米軍基地など欠片もない、
戦前の沖縄の姿が映っています。いずれにせよ、もうこんな景色は
取り戻すことはできないでしょう。
80年前のフォーマットだった35mm(ネガ)フィルムが今でも現役として
立派に役立つことにもまた、驚かされます。もう、レジの手前で簡単に
買い物かごに入れられるほど容易には入手できなくなりましたが、まだ
数年先、今度のオリンピックまでは記録媒体としての役割を担うことが
できそうです。