2017年07月15日
cars3
今日から公開されたディズニー・ピクサーの人気シリーズ「CARS」もこれで三作目。スパイ映画さながらの華やかだった前作とは打って変わって3作目はオトナの作品に仕上がっていました。
断っておきますが子供向けの映画じゃありません・・・・今回は。じっくりとレースに勝つことをテーマに据えたスポーツ根性ドラマに仕上がっています。世代交代も重要なテーマ。佐藤琢磨がインディ500初制覇という大ニュースが転がり込んだあととあって、オーバルコースで繰り広げられるスリリングなレース・シーンには大興奮です。
もちろん映画としての魅力も抜かりはありません。たとえレースやクルマに詳しくなくっても新加入のキャラクター「クルーズ・ラミレス」が存分に楽しませてくれます。どんなキャラかは見てのお楽しみ。レースシーンの迫力と、古い車へのオマージュ・・車好きならやっぱり二度三度と劇場に足を運んでしまう秀作です。若いもんにこの良さがわかってもらえるだろうか?・・・・・これも今回のテーマの一つです。
舞台となるのはやはりオーバル・コースで繰り広げられる量産車のレース。モデルはアメリカでインディー・カーを凌ぐ人気を誇るNASCARレースです。古くはストックカー・レースとも呼ばれ、日本でも遠い昔に民放テレビでデイトナ500レースが中継されたこともありました。発祥は禁酒法時代に密造酒を運んだ闇競争だったという説もあり、市販車を改造して早さを競うのが人気の理由の一つです。日本車が参戦している人気カテゴリーの他にピックアップトラック・カテゴリーのレースもあり、同じくディズニー実写映画「Herbie: Fully Loaded/2005」で(1966年型のVWカブト虫)が実際にオーバル・コースを走ったことでも話題をさらいました。
劇中には今はなくなってしまったいにしえの自動車メーカーも登場します。そしてホーネットが現役だった頃のレースシーンも。アメリカにはビッグ3以外にもハドソン、ナッシュ、スチュードベーカーやパッカードといった個性派メーカーが少なからず存在したものでした・・・・・懐かしいと感じられるのはアメリカでも今や高齢者と呼ばれるようになった世代・・・・・そんな世代の動員を狙った映画かもしれません。
そういえばマックイーンの古巣=ラジエーター・スプリングスの親友達はウィリスのジープも、ワーゲン・トランスポーターもコルベアもT型フォードも・・・・・いずれも馴染みの古株ばかり、今回のストーリーを彩る脇役たちも50年代や40年代の古い車がたくさん・・・・若い子といえば、ポルシェの996(サリー)がいいところでしょうか?それにしたって二十歳を過ぎたばかり。
物語のクライマックス、実は前述のHerbie: Fully Loaded(吹き替え版には土屋アンナも出演!)のオチとちょっとだけ類似したシーンが出てきます。架空のストーリーならではの設定ですが・・・・・・・これ以上は劇場で。おさらいにもう一度見ておきたい映画でもあります。
映画館をあとにして、いつもよりも長めにアクセルを開け、高い回転数でシフト・アップしている自分に気づいて、ちょっとニヤリとするのでした・・・・・・
蛇足ながらLAのディズニーランド開園60周年を記念して開設されたラジエーター・スプリングスがかなり、魅力的です。二台が併走するライドに乗り込んでラジエータースプリングスの町並みを進むと映画に登場する様々なキャラクターが目前に迫ってくるほか、そのままライド自体がオーバルトラックを競争しながらレース気分を味わえるという、興奮もの!(ライドは身長102 cm以上に限ります) しかも夜のパレードには光るマックイーンや巨大なトレーラー・MACKも登場し、その迫力のスケールには誰もが圧倒されるはずです。これだけのためにロス往復しても損はないでしょう・・・・