2017年03月07日

PSA

六日、フランスのPSAがGM傘下にあったドイツのオペル買収を発表しました.近年稀に見る大型カップルの誕生です。まあ実際のところはGMのオペル放棄でもありますが、GMにしてみればヨーロッパの司令塔を失うも同然です。

PSAはフランスの老舗メーカー、プジョーが実質的にシトロエンを傘下に収めたグループ。シトロエンは2馬力や独特の油圧システムで世界を驚かせた初代DSで知られる個性派メーカー。日本で言えばスバルでしょうか?対するプジョーは地味ながらも堅実なクルマ作り、ディーゼル乗用車の開発も古くから着手していました。なんとなく三菱風なカラーです。80年代の205以来、ピニンファリーナの魅力的なデザインも相まって日本では好調なセールスを記録。WRCやルマン24時間レースでの活躍も話題です。経営難に陥ったシトロエンを元気にさせた功績も見逃せません。

一方のオペルは早くからGM帝国のヨーロッパ支部長として小型車開発で重要な役割を担ってきました。カデットをはじめとする大衆車は日本にも早くから導入され、マンタや1900GTの魅惑的なスタイルは他のドイツ車には無い魅力に溢れていました。初代いすゞジェミニは、もともとオペルが開発した世界戦略車の日本版でした。二十年ほど前にはVWの代わりにヤナセで扱われていたものの現在はストップしています。GMのサターンブランド擁立にも大きく貢献したはずですが、奏功したとは言い難いのが残念です。

これまでは英国の主な老舗を支配下に納めたドイツ資本ですが、フランス資本にドイツブランドが買収されるというのは前代未聞。オペルとプジョーはどちらも大衆車が得意なブランド、量産効果でコストダウンは望めてもオペルがどこまで独自色を発揮していけるか?はっきり言ってちょっと不安な気もします。GMグループとしてもヨーロッパの重要な足掛かりを手放す訳で、とりわけ小型車戦略では仕切り直しを求められる事になりそうです。

写真を載せようとプジョー、オペルのミニカーを探してみましたが見当たりません・・・・世界中の勢力地図にも大きな影響を与えそうな今回の合併劇、魅力的なニューモデルが多数生まれてくれればありがたいんですけどね・・・・・

| 21:49 | コメント(0) | カテゴリー:吉田雅彦

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