2016年12月06日
昭和の宝石さ
紅葉真っ盛りのこの季節、恒例行事として開催されたトヨタ博物館のクラッシックカ―フェスティバル、もう10回目を迎えます。絵画館前に集結したクラシックカーの一群。欧米ではyaoungtimerの呼び方も定着しているようですが、その中に見逃せない一台を見つけました。
今年の目玉の一つ、トヨタ2000GT速度記録挑戦車両です。
自動車メーカーはPRのためであったり技術水準の高さの証明のために、レース参戦とは別に様々な国際記録に挑んでいます。が、実際に国際記録を更新するのは大変なこと。それでも昭和40年代の日本車はすでに世界水準に達していたことを証明してくれました。
この時記録されたのが連続する6時間の(給油、交代などの停止時間を含む)平均速度210.42km/h、72時間での平均速度206.02km/h。78時間後には、1万マイル/16000kmを走りきりました(平均スピード206.18km/h)ストップ時間も含めた平均で当時の新幹線の最高時速ですから、巡航中はこれを上回るスピードを保っていた計算です。
トヨタと前後して日産(と合併したプリンス自動車)ものちにGT=Rに積まれることになるGR8エンジン搭載のレーシングカーR380で記録を更新しますが、これは純粋なレーシングカー。お金を出せば買って帰れるトヨタ2000GTとは開発目的も仕組みも違います。さらには平成になってスバルレガシィがやはり10万キロ世界速度記録を更新していますが、(10万キロを連続19日間=447時間44分09秒887で走破、平均速度223.345km/hの世界速度記録)同じ2リッター・ツインカムの市販乗用車で達成しています。(記録は後年メルセデスE320CDが更新)
展示の車両は当時を忠実に再現したもの、あまりに高価な車なので2000GTを買ってレースに出場したオーナーはさすがにいなかったとか・・・・
打ち立てた国際速度記録;
排気量制限なし部門での ↓
1500km206.04km/h
10000マイル平均速度206.18km/h
排気量制限付きの ↓
6時間210.42km/h、
1000マイル、2000km、12時間、2000マイル、24時間、5000km、48時間の各速度記録
10000km203.98km/h、
10000マイル206.18km/h