2016年11月11日
Trump first
投票日直前の世論調査ではクリントン優勢、というのが日本に紹介された主な情報です。でも、その差はわずかに数%、・・・・実際に両者の得票数を見てみると事前の調査とそれほど違った数字ではなかった、という見方もできるのです(クリントンのほうが僅かに多かった)
では、なぜ投票総数の少ないトランプがより多くの選挙人を獲得できたのか?ここが選挙人選挙&その州の全員総取り制という独自の間接選挙の難しいところでもあります。最終盤まで情勢の見極めが困難だったペンシルベニア州、フロリダ州といった票田は開票率が90%に近づいても得票率が両者1%も違わないという大接戦でした。勝敗を見極めるのに時間がかかったのもここです。
トランプの勝因はことごとくこうした激戦区を勝ち抜いて、クリントンにたくさんの死に票を与えたことだった、と今になってみれば結論付けられるのですが、実際のところほんのわずかなファクターで結果はどちらにも傾いた可能性があったと見ることも出来、なおさら確信をもって結果を予想するなど不可能。直前になってFBI捜査入り~の不可解も影響がなかったとは言い切れません。トランプ陣営の参謀にしてみればスレスレの首の皮一枚の勝利だったことは否めません。
それにしても今回の選挙戦を振り返ってみるとトランプWAYの効率の良さには目を見張るものがありました。まだ、二月の初めころ泡沫候補の筆頭だったトランプ氏が、自前の選挙資金だけで、いかにメディアの注目を浴び、露出度を高めて並み居るライバルたちを圧倒してきたか・・・・もちろん逆風にもさらされました。が、それをはねのけるだけの主張が受け入れられたわけです。もしこれが計算しつくされた戦略だったとすればかなりの切れ者ということになります。
今回の結末を見て最も驚いているのが当の御本人たちではないでしょうか。10日、オバマ氏と異例の早期会談を果たしたトランプ(次期)「大統領」なんだか、終始こわばった顔で選挙戦の頃の自信に満ちた笑顔はついに見られませんでした。そりゃあ、緊張します。
ちょっと共和党政権の先輩たちの仕事ぶりを振り返ってみます。同時テロの洗礼を受け、リーマンショックで締めくくったブッシュjrは記憶に新しいところ。若者を戦場に送り、アフガン・イラクをかき回し、混沌を残して去りました。
その前はパパブッシュに連なるレーガン政権、就任早々に狙撃未遂事件で殺されかけ、「強いアメリカ」を掲げ、グレナダに侵攻、リビアを空爆しパナマに侵攻。かと思えばブラックマンデーで幕引きでした。パパブッシュに引き継いだら湾岸危機にソ連邦崩壊です。
もっとさかのぼって、ニクソン政権はどうでしょう。日本の頭越しだった電撃中国訪問、ベトナム戦争終焉・・・までは悪くないですね。でも、ドルショック(金の兌換一時停止)があり、ウォーターゲートスキャンダルで途中退場という最大の汚点を残して去っていきます。
あんまりトランプさんがお手本にできるセンパイが思い当たりませんね、元大阪府知事の横山ノックはんですか?ま、票と笑いはとれるけど下半身スキャンダルで自滅しないよう用心しないといけません。
これから政権移行、政策立案、なにより側近人事とやることはたくさんありすぎて暴言など吐いてる暇がありません。しかも、政治家経験ゼロの初心者マーク、車庫入れも車線変更もぎこちなくて当たり前です。そんなペーペードライバーが世界有数の超大国のかじ取りを任されたのですから、いきなり最高速でぶっ飛ばされたほうが迷惑です。少々の傷や凹みは仕方ない、と大目に見てあげるのが順当でしょう。メディアの揚げ足取りも最初のうちは止むを得ません。所詮最初っからうまくいくわけないんですから。まあ、あんまり期待せずに傍観しましょう、最初のうちは