2016年11月03日
Irudhi Suttru(TIFF)
いよいよ大詰めを迎えたTIFF、東京国際映画祭。今度はインド映画、その名も「ファイナル・ラウンド」(Irudhi Suttru)観賞です。ストーリーは世界の頂点を目指す女子ボクサーとコーチのサクセスストーリー。と聞くと思わずロッキーを思い出しますが全くもって似て非なる作品です。最大の特徴は主演にプロの女優を使わずにキックボクサーの経験のある少女を一年半トレーニングしていきなり映画初主演させてしまったこと、これが可愛いんです。
Jwaveでもレポーターとして活躍していたサヘルさんを彷彿させるチャーミングで情熱的な女の子 #RitikaSinghがこの映画のカギを握っています。カメラに向かって演技などしたことなど一度もなかった彼女が堂々の主役を演じているのはその素質のなせる業なんでしょうか?トークショーで真実を明かされるまで片鱗も感じさせなかったのはさすが!美しいだけでは強く見えない、実際に強い上に美しいってこの上ない強み?・・・・事実、映画公開後にインドの映画賞 #national film awardsを獲得しています。
もう一つの魅力は何といってもインド映画につきもののダンスシーン。さすがに全員が踊るシーンはありませんが、ふんだんに使われるちょっとエスニックでビートの利いたサウンドに映像がうまくシンクロしていて、ミュージカル映画でも見ているかのような、長~いミュージックビデオを見ているような、映像と音楽の融合したスピード感溢れるシーンが続きます。
そしてクライマックスは何といっても試合のシーン。なんだやっぱりロッキーじゃないか?って・・・・ところが劇的に違うんです。判定では明らかな劣勢・・・・このまま試合が終われば判定負けの局面、迎えた最終ラウンドでは唯一ノックアウト勝ちしか方法がない・・・・チンギス・ハーンの兵法が引き合いに出されたくだりで展開は読めちゃいますが、相手の攻撃力を封じこめる方法とは?本当にノックアウトしたかった相手とは・・・・・・・ (そして、彼女が最後に涙した場所とは)
世界タイトル奪取の野望を一人の有望な少女に託して財産もプライドも何もかも捧げた鬼コーチに恋するラブストーリーと観ることもできますし、スポーツ根性ドラマの王道を行くような展開は実際に起こったいくつかのエピソードを組み合わせたものだとか・・・・・あながち作り話ばかりではなかったのも驚きの一つです。(実際にインドから女性ボクサーの世界一が誕生しています)
現在の彼女をyoutubeなどで見てみると、撮影当時から一層女らしく、美しく成長していることに気づきます。これから彼女がトップ女優への道を歩んでいけるかどうか、リアル・ストーリーがもう始まっています。
上映後のトークショーではプロデュースも務めた鬼コーチ役(日本でも話題となった『きっと、うまくいく』の主演男優、マーダヴァン)さんらが登壇して映画や東京への熱い想いを語っていました。