2016年10月24日
何じゃこりゃぁ(Countach!)
パーキングエリアにズラリと勢揃いしたランボルギーニ社の出世作、カウンタック。(=イタリアの方言で驚きを表す言葉だとか・・・・・)ガルウィングドアにも似たインセクトウィングドアを開け放った姿はイヤでも目を惹く存在です。このあまりにも有名なカリスマが出現したのは70年代初頭のこと もう45年も昔のジュネーブショー会場ですが、ちっとも古さを感じさせません。この車が開発された70年代前半は高度成長期真っただ中、右上がりのプラス成長が当たり前の時代でした。当然車のミライも夢に溢れたものになるはず・・・・でした。このカウンタックのように
70年代も半ばを過ぎると車を取り巻く環境は激変します。公害問題に対処するための低公害エンジン開発、オイルショックに伴う低燃費車の開発......とてもスタイリングにまで潤沢な開発予算を回してもらう状況にはありませんでした。70年代後半のカーデザインにロクな秀作が生まれていないのもこんなところに起因します。
しかしながらギリギリセーフで画期的なスタイルで登場したカウンタック、あえて同時代のライバルを探すとすればベンツの実験車C111や後年のランチァ・ストラトス。それにTVドラマ「UFO」に登場するSHADOカーくらいのものでしょうか・・・
インテリアを覗くとさすがに時代を感じさせる(写真は市販状態とは異なります)趣でポルシェみたいに素気のないものですが、当時はこれでも充分ワクワクさせられたものです。乗り込むためにはちょいイタリアオヤジの長い脚は邪魔で仕方ありません。ドア下を前後に貫くフレームが邪魔をしているためで、跳ね上げ式のドアになった原因もこれです。
オーナー氏に尋ねると部品探しもなかなか困難だとか、車検を通して休日のドライブにこぎつけるまでには大変な苦労を伴うものと推し量られます。ひょっとしたらイタリア本国よりも生息数は多いのかもしれません。古い車を丁寧にメンテナンスし、車として稼働させているのはたいへんな労力と資金が必要なはず、何代にもわたり数多くのオーナーに愛され続けるクルマというのも珍しい存在です。