2016年07月12日
栄冠は君に輝け!
「母さん、オレ、今年の夏もベンチ入りはないよ」
言葉にした本人の気持ち。
耳にした母の気持ち。
試合に出たかっただろうし、
ユニフォームに背番号を縫ってあげたかったことでしょう。
彼はどこで、ひとり涙を流したのか
母はいつ、ひっそり涙を拭ったのか
悔しいだろうけれど...
私にはその悔しさが輝いて見えます。
栄冠は、きっと、勝者にだけ輝くのではないと思うのです。
いいえ、2年半レギュラーを目指して
ひたむきに努力し続けた君は
紛れもない勝者なのですよね。
誰もが出来ることじゃないですもの。
だから、とても眩しいです。
今年の夏も甲子園へと向かう道を、球児たちが走り始めました。
たどり着く場所は、もしかすると甲子園ではないかもしれませんが、
その先も、それぞれに道は続いてゆきます。
背番号をもらえなかった選手の皆さん、
きっとスタンドから声を嗄らして応援していることでしょう。
ベンチ入りを果たした選手の皆さん、
持てる力を出し切って躍動されることを願っています。
被災地では、日常生活もままならない中、
悲しみや不安を抱えて大会を迎えられた
選手、ご家族、関係者の方が大勢いらっしゃることと思います。
大雨の影響が心配ですし、これから予想される炎天下での試合、
くれぐれも体調にお気をつけください。
そして、高校生の全力プレーが、
被災された方々にとっても、
故郷に想いを馳せている方々にとっても
励みになることを祈ります。