2016年07月10日
BMW507
戦後のドイツにあってBMWの復興はまず高級車からスタートしました.V8エンジンを積んだ高級セダン、502の部品を流用して美しいスポーツカーが生まれます.それがBMW507、エンジンは同じく3リッターオーバーのV型8気筒ですが,当時のドイツにあってこんな高級車を手に出来たのは僅かに数百人,それも低 い方の3桁に留まり,とても経営の助けにはなりません。
来年で還暦を迎えるというのに全く古さを感じさせないばかりか,そのデザインテイストは今日もZ8に受け継がれているところが名作たる所以です。同じ頃ベンツはSL300と190が大好評、同じマーケットを狙ったと考えれば合点が行きますが技 術的トピックには乏しく,唯ゲルツがデザインした美しいボディのみが後世に語り継がれる結果となりました。
展示されている57年型のseries 2、マイナーチェンジされたインテリアはスピーカー、ラジオが中央にデンと構えていて放送受信重視だったようにも見えます.同じ頃のVWビートルもやはり,計器とラジオが同じ位重視されたレイアウトで、この時代の彼らが音楽を楽しみながらアウトバーンをドライブする姿が想像されます。