2016年06月09日

モデル3の驚愕

テスラモーターズ: Tesla Motors, Inc.は世界でも例が無かった、エンジンを載せないクルマだけのユニークな自動車会社。とりわけこの春に発表された第三の普及版モデル「モデル3」は、常識をいくつも覆す驚異的なクルマになる(なっている)かも知れません.IMGP0151.jpg

生産・顧客への納入は来年終わり頃と発表されているにもかかわらず,集めた注文が最初の24時間に11,5万台、一週間で33万台に膨れ上がりました!日本のもっとも量産されている電気自動車(リーフ)が4年余りで20万台を生産・販売してきたことを考えると、この数字は驚異的です.しかも価格はアメリカで販売されているリーフのものとほぼ対等。この両者が今後どんな販売競争を展開するのか,今から興味津々です。

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テスラ・モデル3はこれまでのテスラ各モデルとは根本的に違い,量産により安価に電気自動車を普及させることを狙っています.その為に是非とも必要な電池の大量生産、コストダウンに秘策がありました。自動車の生産工場も大規模なものが必要ですが,電池の生産ラインも必要です.テスラが完成させた新しい電池生産工場は,何と従来の世界全ての電気自動車用生産量を上回るボリュームを計画しています.つまりリチウムイオン電池の世界生産量が2倍以上になるということ。これは価格破壊必至です。
発表されたスペックでは航続距離もライバル車種を大幅に上回るもの。注文の数から見ても画期的なクルマになりそうですが・・・・・・・・・・

果たして従来からある自動車会社、石油会社の類いがこの事実を黙って見ているだろうか?ちょっと不安な思い出もよぎります。昔GMが開発した電気自動車GM・EV1 と、幻の名車タッカーの苦い経験です。

GM・EV1 はアメリカ1の大企業=GMが送り出した自信作でしたが,自動車業界はもとより消費者団体からの抵抗にも逢い,あえなく失速。スクラップの山が築かれたことは映画にもなりました.消費者団体の裏には石油業界がいたと聞いて納得.奴らを大人しくさせなければベンチャー企業もアメリカン・ドリームもあったものじゃ有りません。
タッカーと云う,OHC/リアエンジンの画期的なアメリカ車もそうでした。フォルクスワーゲン・かぶと虫と良く似た設計思想の高性能車がなぜか本格生産を前に,創業者が訴えられ生産計画も頓挫します.これも映画のネタとして映像化されているのでご存知の方には有名な話。ビッグ3が関与したのは明白と誰もが信じて疑いません。

まだ,生産も始まっていないモデル3ですが,無事にオーナーのもとへ届けられるでしょうか。最後に映画の中でプレストン・タッカーが残した言葉

『もし大企業が斬新な発想を持った個人を潰したなら、進歩の道を閉ざしたばかりか、アメリカの自由という理念を破壊したことになる。
もしこうした理不尽を許し続けるならば、我々アメリカ人は、いつか世界一の席から滑り落ち、敗戦国から工業製品を買うことになるだろう』

この言葉はその後,度重なる規制の強化(衝突安全基準、排気ガス規制、ローカルコンテンツ法・・・)と日本車の技術革新に依って現実のモノとなっています。

| 23:19 | コメント(0) | カテゴリー:吉田雅彦

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