2016年03月11日
鉄路の行方
津波に襲われる前の岩手県宮古駅の姿です。
三陸海岸の中核ターミナル駅としてJR山田線盛岡方面、釜石方面と三陸鉄道北リアス線発着駅として、賑わいを見せていたものでした。ところが今では・・・・・・
三陸の海沿いを走る山田線のうち、宮古 釜石間はあの日から丸5年列車が動かないまま三陸鉄道に経営譲渡の上再開を目指して準備中、宮古-豊間根間と鵜住居-釜石間は16年秋にようやく復旧の見込みが立ちました・・
ところが内陸から宮古を目指す盛岡 宮古間も現在は不通となっています。盛岡まで直通できるはずが途中の川内まで、不通区間は結局バスです。
それというのも昨年起きた山田線内土砂崩れ現場の復旧が思いの外はかどらず、今も盛岡行き列車の運行は再開できないからです。
元々は内陸と沿岸を結ぶ重要な路線だった山田線、並行する国道106号が整備されると急行バスで2時間足らずに!乗客の大半を奪われてしまいます。おかげで近年山田線で北上山地を貫く列車は日に数本。途中駅で乗りおくれたら冗談抜きで陽が暮れてしまいます。
沿岸の被災区間も路線バスオンリーとなってはや5年。失われたレールや路盤を再び作り直して列車運行を再開するには数100億円の費用が要ります。受益者だけで負担できる額ではありませんが、誰がどの程度補助したらいいのか・・・・・・・・・
数年後と予想される全線復旧でどれほどの利用客が戻ってきてくれるか?山田線そのものの存続問題も含めて地方交通の置かれている厳しい現実にはなかなか目を向けてもらえないのが実情です