2016年01月20日
自動化と安全の担保
ここ数日、大型バスをめぐる事故・トラブルが毎日のように報道されています。根幹に流れている問題はどれも同じ、ドライバーの質とその管理体制です。
近年,開発の度合いが一層進んだ自動運転、完全自動運転の技術開発はアメリカ、ドイツ、日本で先を争って進められていますが、この技術は無人化だけでなく人間のエラー防止にも大きく役立つ可能性を秘めています。
たとえば高速道路で頻発する逆走事故、車線や標識の認識技術が完全なものになれば人間のエラーを監視、判別して速やかに警告を発し、イザとなれば急停止or回避動作までクルマ側が主導できるようになるかもしれません。
碓氷バイパスで起きた事故のようなケースを防止するには、速度を制限したり危険運転を判別してアラームで知らせるといった消極的制御しか介入の余地がないかもしれません。しかし、コーナリング半径に対して一定以上の速度が出ないような制御の方法なら、あるいは今回のような事故は防止可能だったかもしれません(実現までには精密で膨大なな地図データと現在地認識能力が必要です)
そんななか、トヨタは2016年1月に、米国カリフォルニア州のシリコンバレーに新会社「TOYOTA RESEARCH INSTITUTE, INC.」を設立。2020年に向けて今後5年間で約10億ドル(約1170億円)を投入して人工知能技術に関する先端研究や商品企画を展開します。協調自動技術や人工知能、特にモビリティの分野で機械と人が協力する方法に力を注ぎ、安全、アクセシビリティ、ロボットの3分野にわたって実用化が求められます。
安全に対する目標は、ドライバーの行動を問わず、クルマが事故にあわないようにすること。この点に関してはぜひとも最優先で実用になる技術を開発してほしいもの。運転手が必ずしも100%健全で、意識を失うことがない保証がない限りは何らかの自動停止装置が必要だと思います。