2015年11月09日
東京モーターショー②
VWの不正ソフト搭載問題が発覚したのはちょうど前月のフランクフルトショーの会期中、東京ショーまでも1ヶ月という瀬戸際でした、イチバン慌てたのは担当する広告代理店かも知れません.展示内容を大幅に変えるのは時間的にも難しい・・・ナレーターコンパニオンが覚える分厚い原稿の書き直しすら,この時点ではかなり厳しいはず・・・・
そんな逆風をついて、日産/マツダを併せた展示面積を更に上回りそうなVWグループの展示スペース、そのチカラの入れ方や予算も半端な額ではありません。そんな中にあってやはり,予想通り力を入れているのがゴルフ等に用意されたGTE.電池だけでも50km以上の走行が可能なプラグイン式です。当然高価な電池を沢山積む必要があります
VWは三菱と同じ様に100%EVから始めて、プラグイン・ハイブリッドを追加するやり方です。アウトランダーの目覚ましい売れ行きを見ても,これが本流と見極めているのでしょうか。499万円と言う価格も戦略的、あたかもBMWのフルEV i3に対抗意識を持っている様に思えてなりません。
排気ガス問題で大きく揺れているフォルクスワーゲン社、本来ならば新しいGTEと並んでクリーンディーゼルを大々的にアピールするはず・・・・だったのでしょうが、来年以降日本市場でのディーゼル導入を行うのか否か?計り知れない傷を負ったブランドイメージの再構築をどうやって図って行くのか・・
今回のショーをみる限りではまだまだ,その道筋は見えて来ませんでした。昔のワーゲンと云えば信頼性,耐久性が売りの堅実,誠実な企業イメージでしたが,それが根底から覆された今回の事件。前月の販売台数落ち込みも,失ったブランドイメージの代償とみることが出来るでしょう。信頼回復までには根本的な方針転換と長い時間が掛かります。それを成し遂げることが出来る企業もそう多くはありません。次回のショーまでにこのカイシャがどんな変貌を見せるのか、期待を込めて見守り続けたいと思います