2015年08月21日
半世紀の旅路
青函トンネルを通過する臨時特急寝台「北斗星」の元祖で、あさかぜに始まるブルートレイン=特急客車寝台の歴史を紡いで来た北斗星の運行が、とうとうピリオドを打ちます。残るはシルバーメタリックのカシオペアですが、これも青函ルートの仕様次第では存続が危ぶまれます
初めてデビューしたブルートレイン「あさかぜ」が斬新だったのは全車冷房完備で豪華な食堂車を併結する、寝台客車だったことです。マニア目線からいえば固定編成、発電機搭載の電源供給システム、空気ばね採用の足回りと革新的な車両でした。瞬く間に寝台特急は全国に広がり関西始発のあかつき、彗星や北陸、北海道内の寝台も生まれました。
もし、京都キンペンの東海道線沿いのホテルに投宿したなら、夜半すぎに相次ぎ通過してゆく富士、はやぶさ、さくら、みずほ、あさかぜ、彗星、瀬戸、出雲、紀伊それに急行銀河といった寝台列車のパレードを眺めるうちに時間の経つのも忘れたことでしょう。
学生の頃は長距離夜行、オトナになってからは寝台特急を愛用していましたが、近年のバスブームに押されて相次ぎ廃止。70年代に新製された二代目車両の14・24系もず~っと後継車が作られないまま酷使されてきました。数年前の富士、はやぶさ廃止あたりから今日の日が来ることは容易に想像できましたが、実際になくなってしまうとなると寂しいものです。
今の所、東海道を走る唯一の寝台特急電車としてサンライズの存在がありますが、後継車や像備の計画はあるでしょうか?
日本の成長を陰ながら支えてきた夜行寝台の時代。LCCと夜行バスの時代を迎えて、好景気と言う言葉とともに姿を消してゆくのはやっぱり残念でなりません。