2015年07月01日
全線開通から50年
日本で最初に開通した本格的な高速道路は東名高速ではなく、名神でした。名古屋~西宮間が全線開通したのは半世紀前の1965年の今日、7月1日のことでした。高度成長期の日本を支えてきた大動脈の一端、名神高速。半世紀の間に沿線の風景も様々に変化してきました。翌年はマイカーブームとも呼ばれ、大衆車の新型が相次いで発表されましたが、昭和40年のこの時点ではまだまだ自家用乗用車は高嶺の花。
そんな中にあってべレットGTやスカイライン2000GT(初代)といった、高速性能を売り物にした超エリートが登場したものです。100kmで連続して高速走行できるクルマもそう多くはなく、軽自動車で高速道路走行は大変な冒険でした。
今のようにトラックの通行量も多くはなく、真夏の日中には路面に見え隠れする逃げ水と呼ばれる不思議な現象に目を奪われるなど、充分に景色を楽しめたものです。
中でも、印象的なのは大山崎の鉄橋と高槻の見晴らしの良い下り坂。大体大阪、京都間の中間点にあり、ドライブの行き返りに毎回飽きずにこの景色を眺めたものでした。
新大阪近くを通過すると頭上をかすめるように伊丹空港に接近する着陸機が通過してゆきます。終点西宮はかつて、西宮球場のあった場所の近く。阪神高速に乗り継いで神戸、明石方面までノンストップで走れます。
現在では鈴鹿山脈の懐を貫く新名神ルートが開通し、京滋バイパスの完成などもあって、通行量はそう多くはありません。しかし、大半の賢いドライバーは通行無料の東名阪(ひがしめいはん)を選びます。亀山や鈴鹿あたりで定期的に渋滞が発生するのもこのためです。新名神の区間で渋滞にお目にかかることは滅多にありません。