2015年06月01日
スポーツ(カー)はエコである
今年は何度も話題に取り上げているようにスポーツカー豊作の年です。世界中の期待を担ったマツダのロードスターもついに発売、10日ほど経って各バリエーション、カラーの比較や新しいオーナー諸氏からの生の声を聞く機会に恵まれました。
そりゃ、十年ぶりのモデルチェンジですから知りたいことは山のようにあります。それらは各雑誌媒体に任せるとして、一番この車で驚かされたのは燃費のよさ。リッター20kmは堅そうです(高速巡航)テストコースでの計測値ではなく、実際に広島から信州まで走ってきた複数のユーザーが慣らしも終わっていない新品のエンジンで記録したもので、充分信頼に足るものです。おまけにベストを記録したのは車重が1000kgを切ったと評判のS仕様。リッター21kmを超える数字です。エコラン競技会でもなんでもない普通のシーンでこんなに走るクルマはハイブリッドを置いてほかには滅多にありません。(私の旧ヴィッツは非公認ながら23km走ったことありますが)
スポーツカーの開発ではパワー競争だけでなく、いかに効率よく燃料を使うかといった効率競争も重要なポイント。その点ではエコカーとスポーツカーは良く似た素質を持っています。イギリスでミニがもてはやされたのもその軽い車重とスポーツカーのような操縦性があったから。スエズ動乱をきっかけとした石油危機期不安が開発のスタートだった初代のミニでしたが、スポーツカーとしての素質が目立ってしまったのは予期せぬ副産物です。
新型のロードスターも1500に排気量ダウン、実質100kg以上のダイエット、とスポーツカーが敢えてやらないような課題を克服しています。ますます厳しくなる環境基準、燃料価格への不安などを考えるとこれが唯一の正しい進化の仕方だったと云えるかもしれません。軽快になったハンドリング、ガラスの固有共振・振動数にまでこだわったサウンド作りなど、十年後も現役でいられるための強い志が伺えます。
某エンジニアがふと漏らした言葉・・・「次は二酸化炭素排出をゼロに抑えたスポーツカーかな?」真偽の程は定かではありませんが、あとになってこれが究極のガソリン車だったと呼ばれる時代が来ないとも限りませんよ・・・・