2015年05月23日
トヨタ、マツダと技術提携
業績好調のマツダ、先日も新しいロードスターを発売して注目を集めていますがこちらのニュースも業界では注目の的。トヨタの水素・燃料電池技術とマツダのスカイアクティブ・燃焼技術について、お互いに技術提携関係を結んで両社に取り入れようというものです。
すでにマツダはトヨタからハイブリッド車の技術供与を受けていて、プリウス・クラスの基幹車種=アクセラにハイブリッド車を設定しています。トヨタからは資本関係を持つ富士重工にもハイブリッド技術が供与されており、こちらもインプレッサに最新ハイブリッド車を登場させる予定です。
年産1000万台を誇るトヨタグループは日野、ダイハツと言った専業メーカーを傘下に収め、富士重工株をGМから引き継いで、世界でも屈指の乗用車グループを形成しつつあります。このままいくとマツダもやがてはトヨタグループ?
今の所両者の関係は技術提携のみで、資本関係には及んでいません。つまりお互いに経営方針に口出しや横槍を入れることはできないので、富士重工のように軽自動車開発を辞めさせられるといった類の心配はしなくて良さそうです。
トヨタはほかにもBMWやVW、最近ではテスラモーターと技術提携を結んだことがあり、BMWからはスポーツタイプの新型車のデビューも期待されていますが、VWとの協業(トラック販売)テスラとの提携は決してうまくいったとは言えないようです。
マツダにしても何度かの経営危機のたび、銀行資本による経営介入や外資受入という辛酸をなめた経験をしてきているだけに、注意が必要なところ。とは言え、エンジン開発に置いてはトヨタも一目を置く存在。世界で唯一ロータリーエンジンを実用レベルまで完成させルマンでただ一つ日本車メーカーとしての優勝をさらったのは誇るべき勲章です。スカイアクティブのバッジを付けたトヨタ車が街にあふれるのも面白い光景だとは思いませんか?
ところで気になる今後の日本車全体開発体制ですが、日産が軽自動車開発の名乗りを上げた一方、富士重工はダイハツからの供給に任せて、半世紀の軽自動車開発から撤退したばかりです。マツダも軽自動車をきっかけに乗用車開発に参入したクチ、70年代にいったん撤退した後、平成になって一時期スズキからエンジンを譲り受ける形で軽自動車開発を復活させていますが、ほどなくして休止。軽自動車以外で収益を上げている数少ないメーカーの一員となっています。
ピケティの資本論はもとより、昨年度の売り上げベストテンを見てもこれから販売の主軸は軽自動車にシフトしていきそうな気配。マツダのオリジナル軽も、あるいは復活の日が近づいているかもしれません。