2014年07月14日
猟奇的/怪しい・・・20歳?
映画、猟奇的なカノジョ(2003日本公開)あたりから急速に日本でも人気に火がついた韓流ブーム。公開直後には冬のソナタも放映され,今に至る流行の発火点ともいえます。近年紹介される韓国映画にはほとんどハズレが無く,安心して楽しめる作品が多いのも魅力です。そんな、韓国本国でも爆発的な人気となったのが,最新の映画【怪しいカノジョ】”原題;MISS GRANNY”
冒頭の数十分はイケメンも可愛い若い女優さんもほとんど出て来ません。これはハズしたのか?と思うと物語は予想外(予告編通りの)展開へ。高齢化問題、戦後からの困窮期を女手ひとつで生き抜いた母親の苦労のストーリーかと思わせたところに,ふと現れた「青春写真館」
主人公がファインダーのスクリーンに大写しになって収まるシーンはどこか猟奇的なカノジョのオープニングシーンを彷彿とさせますが・・・・
この映画の魅力は何と言っても主役を務める弱冠20歳の子役出身女優”沈恩敬 シム・ウンギョン”심은경 (Shim Eun Kyung)です。長身でも長い髪でもない平凡な体型の女優さんですが、この映画の根幹は彼女の演技如何に掛かっていて,その期待に見事に応えてくれたことが,この映画のすべてと云ってもいいでしょう。若い頃の荻野目洋子にも似て,ベビーフェイスながら歌が上手く,キュートなんだけれど、どこか垢抜けないセンスが見え隠れする・・・・キャスティングも見事に決まって,現実の世界ではあり得ないファンタジーの世界を違和感の無く表現することに成功しています。
当初吹き替えが予定されていた歌唱部分も,ボイストレーニングを積んだ本人の直訴で,ウンギョン自身がレコーディングする結果に。挿入歌の多さは音楽映画とも呼んでも差し支えないくらい。
脚本の完成度もまた非常に高く,最後まで展開の読めないスリリングな緊張感が続きます。で,クライマックスにはお約束通りホロリとさせてくれるので,韓流ドラマファンも納得の出来映え。エンディングには定石通りのオチも付け加えられ、さわやかな気持ちで映画館を出られるところなんかは、またしても韓国映画にしてやられたな・・・・と,少し妬ましい気持ちすら感じるほど,面白い,完成度の高い作品です。
イケメン目当ての韓流ファンには少し物足りなさを与えるかも知れませんが,同性から見ても彼女は魅力的に映るはず。韓国では国民の2割近くが見た計算,再び,観に行ってもきっと楽しめる作品であることは間違い有りません!