2014年03月05日
シューマッハ、70日目
ミハエルシューマッハの悲劇的なスキー事故から60日以上が経ちます。脳内の出血を押さえる為の人工的な昏睡状態は、解除に向けてのプロセスが進行中ですが、まだ,いつ目が覚めるとも見込みが立っていません。
しかしながら日本では,交通事故後の昏睡から75日ぶりに目を醒した女子高校生がいました。左半身の麻痺と記憶障害と云うハンデは残ったものの、彼女はやがて大学進学を果たし、福祉の仕事に就くまでに回復しました。逆境にも決してひるまない力強い彼女の姿は北海道放送報道部の目に留まるところとなり、ドキュメンタリー取材が始まります。
1年前の花見の記憶もないと云う彼女ですが,のちに地元の男性と恋に落ち、結婚、出産と大きな夢だった目標を実現させてゆきました。・・・・が、無事出産を終えた晩のこと、急性妊娠脂肪肝という,一万人に一人とも10万人に一人とも云われるレアな病気に襲われていた彼女の容態が急変、重篤に陥ってしまいます。
予定日より一ヶ月早く生まれて来たのは元気な男の子,懸念だった障害も見当たりません。しかし,母親は一時、心肺停止に陥り,11日間,意識が戻らないまま永遠の眠りについてしまいます。密着取材を進めていたHBCのスタッフも予期せぬ結末にドキュメンタリーの放送をあきらめました。しかし遺族側からの強い要望もあり東京、全国でドキュメンタリー番組として紹介され,やがて少女コミック、公開中の映画にも描かれるなど、広く日本中に知られることとなりました。
もうすぐ開幕するパラリンピック,もしかしたら彼女は今ごろカーリングの選手として五輪を目指し,あるいはソチに赴いていたのかも知れません。シューマッハがいつ目を醒し、何%まで機能を回復出来るかは判りませんが、F1の世界王者として記録を塗り替えた皇帝、なんとか奇跡が起こる様,願わずにはいられません。