2014年01月23日

ヘンソク的愉しみ

 いまでは街中のクルマの何%かがモーター・電池付きという,昔のプラモデルみたいな時代を迎えています。が、電気自動車もハイブリッドもF1のような変速ギアが見当たりません。それどころか国産車のカタログをあらためて見回すと驚く程マニュアル車の減っていることに気がつきます。こうなると、昔せっかく苦労の末手に入れたマニュアル車「可」の免許も泣いてしまいます。
 同じオートマチックでもマニュアルモードがあればまだまし。大抵のクルマはCVT化していて、変速の愉しみも語りぐさになろうとしています。確かにマニュアルシフトレバーを操作して自分の思いのままにギアを選択するシフトチェンジの機会は減るでしょう。では、電気自動車の運転はシフトがない分面白みに欠けるでしょうか?
 そんなことはないと思います。
Dscf7002
 AT車に乗り換えて、かれこれ30年近く、実家のマイカーは45年も昔からAT車でした。けれど、今とは違い減速の時に自動変速はしてくれません。マニュアル操作でギアをダウンシフトして、エンジンブレーキを目一杯活用する、これが「オレ流」AT車の乗りこなし方。

 21世紀の今、電気自動車に乗り換えても、空走距離の延びるDレンジとエネルギー回収効率の高いEレンジを巧みに使い分けて、シフトを楽しんでいます。こんなにシフトレバーをいじくる電気自動車のユーザーは珍しいかもしれません。電車のブレーキみたいに数ノッチ使い分けられたらもっと楽しいのに、とも思います。

 さて、ハイブリッドを戦列に加えたホンダの新フィット=今までのモーターアシスト的なハイブリッドとはガラリと変わってかなりホンキのHVシステムを搭載しています。まず注目はクラッチに相当するトルコンが見当たらないこと。ゼロスタートではモーターに依存するのでエンジンの出番は基本的に巡航時のみ。なので、あとは変速機構の問題ですDSCF3178.jpg

 何とコイツは大衆車の分際でポルシェ962と同じ仕組みのツインプレートクラッチを驕っています。変速時のパワー断続を最小限に抑える為に開発されたのがこのシステム.国内では三菱ギャランにいち早く搭載されましたが話題に上ることもあまり無く・・・

 欧州のスーパースポーツには採用例の多いこのシステムは,クラッチプレートが2つのインプットシャフトのどちらかに接続し。空いている方の系統では常に次に使うであろうギアセットがクラッチの切り替えを待ち構えている、という電子制御無しでは成立しないシステム。しかも,200万円クラスの大衆車に採用されるのは前代未聞です。

 そんな贅沢な使い道をこれっぽっちも宣伝せず,ひたすら燃費の良さだけをうたい文句にしているホンダもなかなかの強者です。これ,世界的に見てもかなりお買い得で贅沢なクルマである。と断言してしまいましょう!

| 18:52 | コメント(0) | カテゴリー:吉田雅彦

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