2013年12月19日

邦題;ゼログラビティ

 原題は単純にグラビティ(重力)ですが、この映画だけは邦題の方がよく出来てると思いました。ラストカットを見るまでは・・・・・すでに見た人は誰もが絶賛し、それなりに期待も大きな映画だったんですが、非常に評価の難しい映画だと思います。出演俳優はサンドラブロックとジョージクルーニーだけ。あとはインカムの向こうから聴こえて来る声の主が数人。この映画で演技力を問われてもシールド越しの表情とセリフ、これだけに全ての表現を集約しなければなりません。ヘルメット、首から下の宇宙服、背後で飛び散る国際宇宙ステーションのバラバラになった破片、ハリケーンが渦を巻く北米から、中東上空の雲ひとつない地上の光景まで、役者以外の全ての映像はコンピューターグラフィックに描かれた仮想の世界です。役者たちも撮影の時点では自分の周りの背景を見る術がありません。全てはシナリオを熟読し、自分のイマジネーションをバックグラウンドに演技をしなければなりません。泣きたくったって、涙は頬を伝って流れることはないので、これさえも描き込みです。

 つまりこの映画の出来映え、どれだけリアリティを醸し出せるかは、役者の演技力とコンピューターグラフィックの出来映え如何に掛かっているのです。そして、もうひとつリアリティを左右するのがシナリオの完成度。どれひとつがバランスを欠いても現実味のない臭い芝居に成り下がってしまいます。
 酸素の供給を絶って、減圧したからと云って、外から宇宙飛行士がハッチを開けて乗り込んで来て、無事でいられるのだろうか?おっとこれは夢を見ているシーンでした・・・・あんまり書くとネタバレになりますが、ディテールはかなりよく出来ています。ソユーズ司令船が着地の寸前に逆噴射ロケットを使うことや中国の宇宙ステーション(2020年代に実現か)には遊戯用の卓球ラケットが搭載されている事実?などシナリオにも隅々まで細かく描き込まれているのでこちらもお楽しみに。
 衛星が大気圏再突入し、溶解するシーンなどは多少過剰演出の嫌いもありますが、誰も実際の映像を見て確かめた人はおりません。少しくらいの誇張はおおめに見てあげましょうね。
 そして、いよいよ最終シーン。ここまで見てようやく原題のグラビティのほうがやっぱり良いな、と思う訳です。これもネタバレか・・・・・・・・

 それにしても宇宙を舞台にした本格的なサバイバルものと云えばアポロ13以来の評価を受けそうな気配。でも、ここまで作画されていると実写映画と呼んでいいのか、アニメーション映画の部門で評価したほうが適切なのか?今後ますます増えるであろうこのての映画をどの部門で評価したらいいのか、いずれ問題にはなって来るような気がします。

 あともうひとつだけ問題点が・・・・・出演者の打ち上げ、監督を加えてもたった3人だけじゃあねえ・・・・・・・・

| 05:20 | コメント(0) | カテゴリー:吉田雅彦

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