2013年07月07日
アシアナ機が着陸に失敗
サンフランシスコ国際空港で、日本時間の
きょう未明、韓国のアシアナ航空の旅客機が
着陸に失敗し、2人が死亡したほか多数の
けが人が出ています。
機体はボーイング777で、ニュース映像には
胴体後部がもぎ取られ、炎上した無残な姿が
映し出されています。
アシアナ航空ではボーイング777-200ERを
12機保有しており、このうちの1機の214便が
事故を起こしたものです。
事故現場は、滑走路先端部分に多数の機体の
残骸が散乱しており、この中にバラバラになった
左右の水平尾翼や垂直尾翼がほぼ原型を留めた
まま横たわっています。
機体はその数百メートル先の滑走路左側に機首
を進行方向に向けて停止しており、胴体は停止後
炎上したといわれる火災のため天井が大きく焼け
落ちています。
そして、特徴的なのは胴体後部の圧力隔壁と
呼ばれる気圧を確保するための圧力板がむき出し
となっていて、薄黄緑色の腐食防止塗料で塗装された
隔壁が確認出来ます。
この隔壁から後部の尾翼部分が無くなっており、
滑走路先端に胴体後部をたたきつけた衝撃で
バラバラになったものと思われます。
また、2つのエンジンのうち左側の第1エンジンは
機体の付近にはなく、右側の第2エンジンだけ主翼
から脱落した状態で機体のそばに横たわっており、
接触の際の衝撃がいかに大きなものだったかを
物語っています。
衝撃で後部胴体はバラバラに砕けたものの水平
尾翼と垂直尾翼には直接のダメージはなく原型を
留めていることから、圧力隔壁の部分で衝撃が
加わりスッポリと切断されたことからかろうじて
客室部分の破壊は免れ多くの乗客が脱出出来た
ものと見られます。
事故原因については、今後のNTSB=アメリカ
国家運輸安全委員会の調査結果を待たなければ
なりませんが、事故当時、サンフランシスコ国際空港
周辺の天候は良好とのことで、気象条件は無視して
よさそうです。
となると、機体の不具合か管制システムの問題か、
あるいは操縦士や管制官によるヒューマンファクター
が原因の可能性が強くなりますが、いずれにしても
1993年のボーイング737-500の事故以来、
20年間旅客事故が無く、世界的な権威機関から
多くの「エアライン・オブ・ザ・イヤー」を受けたアシアナ
航空だけに、今回の事故は極めて残念というほかは
ありません。
乗客乗員の皆さんの無事を祈るばかりです。