2010年12月19日
日本の航空100年
1910年12月19日、東京・代々木錬兵場から
飛び立った徳川好敏大尉操縦のアンリ・ファルマン機、
これが日本初の飛行に成功した瞬間でした。
今からちょうど100年前のことでした。
徳川大尉の飛行に続いて日野熊蔵大尉の操縦する
グラーデ単葉機も飛行に成功しました。
実は、これより5日前の12月14日、日野大尉は
同じ錬兵場でグラーデ単葉機のエンジンテストを
行っている最中、機は前進を始め僅かながらジャンプに
成功しています。
世の中にはこれをもって日本初の飛行機の飛行とする
見方もありますが、一定の時間、機を思いのままに
操縦することが飛行とみなされていたことから日野大尉の
ジャンプは飛行とは認められていないというのが一般的
な見解となっています。
日野大尉は、発明家としても知られており航空機エンジン
の開発や飛行機の設計製作を行って実験を行って
いますが、エンジンの不調から飛行には至らず開発を
あきらめています。
一方、徳川大尉はその後、国産航空機の会式1号機の
開発に携わり、1911年10月13日、所沢飛行場での
初飛行に成功しています。
ところで、国産初の飛行機による飛行はこれより先の
1911年5月5日、日本の航空のパイオニアでもある
奈良原三次が開発した奈良原式2号機によって
同じ所沢飛行場で高度約4メートル、飛行距離
約60メートルの飛行に成功したのが最初と言われています。
その後、日本における飛行機熱は一気に高まりを見せ、
千葉県の稲毛海岸に日本初の民間飛行機操縦学校が開設
されて伊藤音次郎や白戸栄之助などのパイロットが
巣立ちました。
当時の様子は作家の平木国夫さんが書かれた「空気の
階段を登れ」に詳しく記されています。
ちなみに平木さんは航空ジャーナリスト協会の会員で
自らも日本人として極めて早い段階で操縦士免許を取得
されています。
今では航空公園として親しまれている所沢は、日本航空発祥
の地として代々木公園とともに知られています。