2010年10月10日
静かに出来ませんか・・・
上海の地下鉄路線図を拡げてみると、東京も恐縮するくらいおびただしい数の路線が街中を埋めています.上海駅と中心部を結ぶ1号線、東西に横断する2号線、環状タイプの3号線~つい最近万博用に開通した13号線まで、路線延長は東京のそれを抜き去ってしまいました.というのが、今年はじめのニュースでしたね。
でも、万博が始まる10年前はといえば、市内の全交通量に占める上海の地下鉄、トロリーバス、バスの公共交通の割合は二割以下。自転車が四割以上を占め、タクシーが幹線道路の交通量のうちの約半分を占めていたのだそうです。それがいまじゃ、高速道路の高架橋が街中を縦横に走り回り地下鉄網は406キロメートルと東京を凌ぐ急成長ぶり、地下鉄(リニアモーターカーは含まない)などの各駅を中心に半径600メートルの円を描くと都市部の25%以上の面積をカバーできるし、路線バスとトロリーバス・バスターミナルを中心に半径300メートルの円を描くと市街の93%をカバーできるんだと。しかも万博を迎えるにあたって、四千台ものバスの新車投入、エンジン換装も三千台に及ぶという大量整備がおこなわれ、さらには一万台以上のタクシーが新車に置き換えられたというからすさまじい。
租界が置かれる前から上海の中心だった豫園=今では上海を代表する観光地ですが、ここを周回する11系統には内回り、外回り共すでに電気で走る充電式の新しいバスが走り始めています。トロリーバス?いえ、特に架線は張り巡らされていません。でも、化石燃料は使わず大気汚染ガスも吐き出しません。これをお目当てに豫園に向かう前に、実は思わぬ場所で遭遇しました。上海万博のメインストリートをひっきりなしに行き交う大型バス。どれもが新車、しかも全部電気自動車。
よーく見るとルーフの特徴が二種類に分かれている。パンタグラフを装備した充電式トロリーバス,「超級電容公交車」と、なだらかなルーフを持つバッテリー式(多分燃料電池仕様)のもの。
充電式は停留所に設けられた架線の下に停まると即座にパンタを伸ばして急速充電、充電時間は約1分。1回の充電で約5km走行出来ます
実は地元企業の上海汽車が用意したEVバス、その数何と1000台。会場内だけでも500台が走り回り、バス停ではほとんど待つことも無く次から次へと充電式、燃料電池バスがやってくるのでお望みとあれば選り好みをして乗り比べることだって可能(後のお客には気を配りましょうね)計器盤にはタコメーターのような大径メーターがあり、よく見ると電流計だった。力行の間だけ針が跳ね上がり、あとはゼロの位置でしばらくお休み。
走行感覚は電気モーターそのもので、発進トルクの強さ、静粛性が印象的。もっともこちらのお客さまは騒がしい上にギュウぎゅう詰めの混雑ゆえ、あまりEVのメリットを享受できていないのもまた事実。先端技術で幾ら静かな環境が生み出せてもねえ・・・・