2010年04月18日
世界の空が大混乱!
アイスランドで発生した火山の噴火による
火山灰の影響で、世界の空が大混乱に
陥っています。
空港の閉鎖(一部閉鎖も含む)は東ヨーロッパ
にも拡大し、これまでにイギリス、ベルギー、
オランダ、ポーランド、ルーマニアなど28カ国に
及んでいます。
一方、火山灰による空の便の混乱は、
世界のスポーツイベントにも影響を与えて
います。
共同通信によりますと、スロベニアで行われた
アイスホッケーの世界選手権では、イギリスの
選手が電車やバスでの移動を余儀なくされ、
クロアチアとの試合開始が3時間半遅れたと
いうことです。
また、現在行われている自動車のF1シリーズ、
中国グランプリでは、去年、優勝したレッドブル・
ルノーが機材の搬入などに手間取りました。
25日からは、ロンドン・マラソンが開かれますが、
この影響は避けられそうにありません。
今回噴火したエイヤフィヤトラヨークトル氷河は、
1986年にアメリカのレーガン大統領とソ連の
ゴルバチョフ書記長が冷戦終結に向けた会談を
行った有名なレイキャビクから90キロほどの所に
あります。
アイスランドは日本と同様の火山国で、地元の
住民はそれほど珍しいことではないと冷静の
ようです。
ところで、火山灰が飛行機に与える影響は深刻です。
例えていえば、サンドペーパーで擦られながら飛行
するようなもので、エンジンは勿論のこと、飛行速度を
計測するピトー管にも灰がつまって正常な速度が
表示出来なくなります。
さらにまずいことに、エンジンに入った火山灰は、
エンジンの高熱で溶けて飴状になり、燃焼室や
タービンに付着して空気の流れを阻害し、異常燃焼を
発生させ、最悪の場合はエンジンを止めてしまいます。
バードストライクの場合は、大抵は一つのエンジンで
済みますが、火山灰は全てのエンジンに影響を
与えます。
過去に飛行中の旅客機が、火山灰の影響で4つある
エンジンの全てが空中停止し、再始動で難を逃れる
というケースがありました。
1982年、インドネシアにあるガルングン山が噴火し、
飛行中のブリティッシュ・エアウェイズのジャンボ機が
火山灰に巻き込まれました。
ジャンボ機は4つあるエンジンの全てが停止し、
空中で再始動を行って無事、緊急着陸に成功しました。
この他、何件か同様のケースがあります。
火山灰は飛行機にとって大敵、地上では「航空路
火山灰情報センター」が設置され、世界各国に
情報を提供していますが、飛行中に火山灰に遭遇
したら逃げるが勝ち、直ちに飛行コースを変更して
難を逃れる以外ないようです。
最新テクノロジーの固まりである飛行機でも、
自然災害には勝てません。