2009年12月13日
ボーイング787大空へ!
ついにボーイング787の初飛行が決まりました!
15日午前10時、日本時間の16日午前3時、
シアトル郊外にあるエバレットのボーイング
組立工場に隣接した飛行場から大空を目指します。
思えば長い長い月日でした。
2003年6月、パリ・エアショーでドリームライナー
としてその開発が発表されてから6年、
全日空が2004年にローンチカスタマー、
あるいはキックオフカスタマー(最初にメーカーに
発注を行った航空会社のこと)として50機購入の
名乗りを上げてから5年、計画では2007年秋の
初飛行でしたが、部品開発の遅れや従業員の
ストライキなどの影響を受けて、2年以上遅れての
初飛行となります。
ボーイング787の特徴は、同クラスの旅客機と
比べて航続距離が大幅に向上していること、
燃費がいいこと、騒音が低いこと、環境に優しい
設計であることなどです。
ボーイングは、当初、次世代の旅客機として
遷音速旅客機(音速に近い旅客機)、
ソニッククルーザーの開発を計画していましたが、
2001年9月11日の同時多発テロをきっかけに
旅客需要が大幅に落ち込んだことから、この計画を
あきらめ経済性を重視する中型旅客機の開発に
方向転換を図りました。
この方針が功を奏し、787は全日空の発注をきっかけに
これまでに800機を超える(オプションも含めると
1000機以上)発注が世界中の航空会社から
寄せられています。
開発中の旅客機にこれほどの発注が行われたのは
過去に例がありません。
危機感を持ったライバルのエアバス社は、急遽、
A350を開発すると発表しましたが、そのデザインや
性能はB787と比べて新味はなく、航空会社からの
不評を買って大幅に計画を変更した(性能を向上させた)
A350XWBを開発中です。
世界的な景気低迷の影響で経営の合理化を迫られる
航空会社は、こぞって燃費の悪い旧型の旅客機を
手放し、燃費のいい次世代の旅客機に鞍替えしています。
環境適応型旅客機、ボーイング787とエアバスA350
XWB、果たして空の覇権を制するのはどちらの
旅客機でしょうか。
15日のB787の初飛行の成功をただただ祈るばかりです。