2009年07月07日
なかなか飛ばない787
ボーイング社が開発中の最新旅客機
787が5度目の初飛行延期を行いました。
6月中の初飛行は確実と見られていただけに、
今回の延期はかなりの驚きをもって受け止めた
方も多いことでしょう。
いったい、どうなってしまったのでしょうか。
787=7かなかと87い787と、べつに
語呂合わせをしたわけではありませんが・・・・
今回の初飛行の延期は、主翼と胴体との
接合部付近に生じた構造上の問題点が
原因と見られています。
飛行中、最も過酷な力が加わる部分で、
飛行機の構造の中でも最も頑丈に作られている
部分でもあります。
この部分に構造上の問題点が見つかった訳ですから
事は重大です。
ボーイング社では、問題箇所の大幅な設計変更や
補強の必要はなく、小規模の補修で問題が解決できる
としているようですが、これによって長期の改修作業は
避けられず、787の初飛行はさらにずれ込みそうです。
それにしても、ボーイング社の旅客機開発の中で、
かつてこれほどまでに開発計画が遅延したケースは
他にありません。
その大きな原因の一つが、数百社にも及ぶ世界各国の
航空機部品メーカーによる分担部品開発にあると
言われています。
もちろん、委託を受けた部品メーカーはそれぞれが
各国を代表する一流メーカーですが、中には納期を
遅延させたり、製品の精度に問題があったりという
ケースもあり、ボーイング社が一つ一つの部品を
厳密にチェックすることに多くの時間がさかれたのは
事実のようです。
各国の航空会社の要望を取り入れて、それを機体開発に
活かす「ワークトゥゲザー方式」は、ボーイング社の
得意とするところですが、機体の内装ならともかく、
機体構造そのものにも大幅な下請け方式を採用する現在の
旅客機開発の在り方について、見直しが迫られそうな
今回の出来事です。
787は全日空と日本航空が大量発注しているだけに、
今後の動向が注目されます。
来週、再来週ごろにはボーイング社から新たな発表が
行われるものと見られています。