2008年11月02日
私のラジオデイズ53
1970年4月25日、いよいよFM東海最後の
日が訪れました。
この日は土曜日でしたが、当時は週休二日制は
まだ普及しておらず、局員は通常勤務に就いて
開局の準備作業を行っていました。
入局3年目だった私は、FM東海に対する惜別の
思いよりも、むしろ新たにスタートするFM局、
FM東京への期待感のほうが大きかった気がします。
「ジェット・ストリーム」、「音楽の絵本」、
「ステレオhi-fiクラブ」、「朝のコンサート」、
「新源氏物語」などなど、数々の名番組を生み出した
FM東海の最後の放送は特別番組「FM東海の10年
~新しい明日のために~」でした。
当時の資料からその最後のナレーションを
ご紹介しましょう。
東海大学超短波放送局が放送を開始してから
11年3カ月と26日、決して平坦な道では
ありませんでしたが、しかし、困苦に耐え新しい
途を切り拓き、FM東海は今日まで1日の休みも
なく歩み続けてきました。
その歴史を回顧する時、ある感動が私たちの胸を
締め付けます。
これを感傷と笑う事は出来ますまい。
明日から始まるFM東京が一歩進んだ次元に立って、
より高い水準の放送を行うことを期待して、FM東海
最後の放送、特別番組「FM東海の10年」を終わります。
というものでした。
ナレーションは私の上司でもあり恩師でもある武田至弘
アナウンサーでした。
この後、FM東海のコールサインが流れ、エンディングテーマ
として親しまれたマントバーニ・オーケストラの
「歌は終わりぬ」が放送されると、さすがに胸がいっぱに
なり、目頭が熱くなるのを感じました。
ちなみに、このエンディングテーマ「歌は終りぬ」は
FM東京にも受け継がれています。
半世紀近くにわたってFM放送のエンディングテーマを
キープし続けた「歌は終りぬ」、アービン・バーリンの
作詞・作曲ですが、一度聴いたら忘れられない名曲です。
私にとっては3年ほどのFM東海時代でしたが、
この3年間で多くの経験をさせていただきました。
スポーツ中継を除く放送現場での殆どの業務を遂行できた
のですから、現在のように制作、報道、アナウンス、技術の
各部門が分業化された状況では経験出来得なかった
貴重な3年間でした。
その後、約40年にわたって第一線で仕事を続けさせて
いただくことが出来たのも、FM東海での経験が活かされた
結果だと思います。
「私のラジオデイズ」は、次回からFM東京時代へと移りますが、
私を育ててくれたFM東京に敬意を表し、このようなブログを
書いてもクレームをつけない太っ腹なJ-WAVEに感謝しながら、
様々なエピソードをご紹介できればと思っています。
また、ご紹介できなかったFM東海時代のエピソードは折に触れ
お話していくことにいたしましょう。
続きはまた次回に・・・・