2008年10月05日
私のラジオデイズ49
J-WAVEが10月1日、開局20周年を迎えました。
おめでとうございます。
当時、他局で開局初日の放送を複雑な思いで
聴いていたことが懐かしく思い出されます。
複雑な思いというのは、いよいよライバル局が登場した、
これからは安穏としてはいられないぞ・・・・という思いと、
いったい、どんな放送を聴かせてくれるのだろうという
期待感も正直ありました。
その後、様々な局面でJ-WAVEとお付き合いすることに
なるのですが、詳しくは追々お話していくことにしましょう。
他局の番組である「ジェット・ストリーム」の話が
しばらく続きましたので、そろそろ別の話題に
移りたいと思いますが、一つ思い出した
エピソードがありますので、きょうは「ジェット・ストリーム」
異聞とまいりましょう。
「新幹線殺人事件」というと、今の若い方々は
西村京太郎の十津川警部シリーズの
「東北新幹線殺人事件」や「上越新幹線殺人事件」
のほうを思い浮かべると思いますが、
実は、森村誠一が1970年に同名の推理小説を
出版しています。
ひかり66号のグリーン車内で男性の死体が発見さる。
殺された男性は芸能プロの実力者、事件の背景には
万博音楽のプロデュースをめぐる巨大な利権が絡んでいた。
警察は密室のトリックと完璧と思われるアリバイに挑む・・・・
この小説の中で「ジェット・ストリーム」がアリバイ工作を
する上で、重要な役割を果たしています。
森村さんは当時、「ジェット・ストリーム」を愛聴しており、
小説のトリックに使ったのだそうです。
実際の番組が推理小説のトリックに使われたとして、
当時、かなり話題となりました。
実はこれに似たようなアリバイ工作が実際に起きました。
何年ごろか忘れましたが、随分前の事だったと
思います。
ある時、警視庁の刑事が虎ノ門のスタジオを訪れ、
某月某日のニュースの内容を知りたいと尋ねてきたのです。
事件の重要参考人が犯行時刻にラジオのニュースを
聴いていたというので、その内容を知りたいとのことでした。
ニュースの出稿記録を調べてお話しましたが、
ひょっとしたら、あれは映画の宣伝イベントだったのでしょうか?
今思うとそんな気もしてくる非日常的な体験でした。
そう言えば、スタジオが金田一耕助シリーズの映画に
使われたことがあったり、映画「チキンハート」のラジオから
流れるニュースアナウンサーをやらせてもらったりと
色々経験しました。
(アラーキーさん演じる屋台のおやじさんが手にした壊れた
ラジオから突然流れてくるニュースの声は私です)
思えば、アナウンサーを目指すきっかけは、小学5年生の
時に見た「ゴジラ」第1作に登場する実況中継の
アナウンサーに憧れたことだったことを思えば、この経験、
無関係と片付けてしまうにはいささか惜しいような気がします。
理想は「ゴジラ」の実況中継のアナウンサーでしたが、
そのチャンスは訪れませんでした。
一度、特撮監督の川北紘一さんにお目にかかったとき
その話をしたんですが・・・・・
「あっ、そうなんだ!・・・・・(笑)」で終わっちゃいました。(笑)