2008年07月20日
私のラジオデイズ38
放送事故というのは、現場で働いている
放送スタッフにとって避けて通れないものです。
40年近くも放送の現場で仕事をしていると、
大小含め数々の放送事故を経験することになります。
泊まり勤務のシフトに就いて数ヵ月後、
最初の試練が訪れました。
私が勝手に名付けた「ケロケロ事件」の発生です。
夜のニュースを担当した時のことです。
このニュースにはスポンサーが付いていて、
(どこかはあえて申し上げませんが、前回のブログを
ご覧になれば分かります)
毎回、ニュースを読み終えると、テープレコーダーに
セットしたCMのテープを流すことになっていました。
当時のラジオCMは、6ミリのオープンテープに
CMを収録して、5インチの一番小さなテープに
ダビングし、それを毎日使っていました。
毎日のことですから、当然、テープは劣化してきます。
この劣化の目安は、テープをリールから少し引き出して
光にかざし、テープにわずかな歪みが生じていれば
交換をするということを行っていました。
この日は、特にテープの傷みも無く、正常と思われましたので
いつものようにテープレコーダーにCMテープをセットして、
ニュースを読み始めました。
ニュースを読み終えて、一呼吸おいたあとテープレコーダーの
リモートコントロールと音量の調整を兼ねている
アッテネーターを回し、CMテープをスタートさせました。
ところが、パチッといういやな音とともに、テープが切断して
しまったのです。
通常は、テープが切れてもテープレコーダーのテンション
(このテンションというのは、テープをスタートした際に、
テープに過大な力がかかっても切れないようする装置で、
電源のスイッチの役割も持っています)
がOFFになって電源が切れないように、テンションの脇に
つっかえ棒の役割をするリールクランパ(リールクランパ
と言うのは、10インチのリールをテープレコーダーに
固定する器具ですが、この名前を思い出せなくて、
アナウンサーの杉江さんにネットで調べてもらいました)
を置いておきます。
そうすることによって、テープが切れても電源がOFFに
ならずに、切れたテープが床に垂れ下がって、CMは
異常なく放送されるはずでした。
ところが、この日に限って切れたテープが床に垂れずに
テープレコーダーのキャプスタンに巻き付いてしまったのです。
テープレコーダーに詳しい方はもうお気付きだと思いますが、
キャプスタンにテープが巻き付くとどうなるか・・・・・・
それはそれは恐ろしい事になります。
また話が長くなりますので、この続きは次回に・・・・