2007年12月16日
私のラジオデイズ20
新宿・歌舞伎町でのDJアルバイトの話しを
しばらく続けることにしましょう。
当時、歌舞伎町周辺には数軒のDJ喫茶がありました。
DJ喫茶といっても、現在のような派手なパフォーマンス
が売り物のクラブDJとは違い、レコード操作をしながら
曲紹介を行なう、極めてオーソドックスなスタイルでした。
当時、ラジオでは、志摩由起夫、関光男、高崎一郎、
茂木幹弘、糸居五郎、モンティ本多、いそのてるを、
などの人気DJやアナウンサーが活躍し、
好きなDJの真似をしながら、技術を学んでいました。
個人的には、DJではありませんが、当時、
テレビ司会者として活躍していた小島正雄さんの語りが
好きで、憧れていました。
都会的なセンス溢れる洒落た語り口調は品格があり絶品でした。
その小島さんも若くして急逝し、中学時代、
竹脇昌作さんが亡くなった時のようなショックを受けました。
喫茶店での放送は、夜の部の3回を担当しました。
1坪ほどの小さなスタジオで、出入りはレジカウンターの
仕切りを開いたり閉じたりして行ないました。
(このとき、狭いので屈むようにして出入りしなければならず、
当時、流行り始めたばかりのミニスカート姿の女性レジ係りの
脇で眼のやり場に困ったことを思い出します)
本番の際は、あらかじめ店内のお客様にリクエストカードを配り、
好きな曲とその曲にまつわるエピソードを記入してもらい、
放送直前に回収して放送していました。
時には、カップルが彼女へのプレゼントに
告白のメッセージを沿えてリクエストすることもしばしばでした。
レコードは毎月5万円ほどが予算化され、近くの
レコード店で購入していましたが、音楽ジャンルの
片寄りを防ぐため、所属していた4人のDJが持ち回りで
購入しました。
リクエストは当時のヒット曲がほとんどで、人気のLPを
購入しておけば、大抵はリクエストに応えることが
出来ました。
番組のテーマ曲はビリー・ヴォーン楽団の「真珠貝の歌」です。
当時、NHKのリクエスト番組に使われていた曲で、
この曲を聴くと、当時のことが瞬時に甦ります。
「みなさま今晩は、本日はようこそ当喫茶店にお越し下さいました。
これからしばらくの間、私とお付き合い下さい・・・・」
こうして、歌舞伎町の夜のリクエストタイムが始まります。