2020年06月04日

ベルリン前夜

日本では平成に改まって数ヶ月、4月からの消費税という新税制にも慣れてきた頃、乗用車販売は物品税が廃止され実質的な値下げとなったことも、折からのバブル経済も手伝って空前の伸びを見せています。同じ頃中国から伝わって来るニュースには気になる動きがありました。

4月下旬以降、大学の構内に掲示された壁新聞をめぐる当局との攻防が顕著になり始めます。やがて政権を批判し民主化を訴えるムーブメントはキャンパスを飛び出し徐々に肥大化して行きます。建設省(現国土交通省)が「測量の日」と決めた6月3日の夜も更けた頃、速報のニュースで伝えられたのは毛沢東の巨大な肖像が飾ってある中国で一番有名な広場周辺で起きていた想像を絶する光景でした。

ネット網もブラウザーもハイパーテキストプロトコルもなかった当時、学生たちの連絡手段は壁新聞とか口コミなどのアナログなメソッドに限られていたはず、もし今の時代ならweiboはじめデジタル伝達手段は幾らでも有ります。上記の事象について調べようと思えば日本にいる私たちは簡単に知ることができます。

しかし彼の地では関連するキーワードもろとも当局によって全て削除されて書き込まれなかった事にされています。当該の日付やその広場から命名された出来事の名称を使って検索しても何もわかりません。この30年、中国の経済も生活水準も驚くばかりの成長を遂げましたが政治体制や歴史教育に関しては驚くほど変わってこなかった、という印象です。

香港では今年も大規模な追悼集会が敢行される頃、でも自由な物言いが制限されるどころか国家の替え歌禁止法案まで制定されるという圧政ぶり。政権批判はおろか民主化の種は根絶やしにしようという中央の意図が猛威を奮っているのです。香港という魅惑の街もこのまま巨龍に呑み込まれてしまうのでしょうか?

| 02:47 | コメント(0) | カテゴリー:吉田雅彦

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