2017年12月20日

n700

新幹線のぞみの車両トラブルで見つかった台車の亀裂。このニュースを聞いて思い出して欲しい事案がありました。
「2016年5月に東京都板橋区の東武東上線で起きた脱線事故で、事故車両の台車に脱線前から亀裂が生じていたことが分かった。(毎日新聞ほか;<ニュースの一報>東武東上線 5両目車軸2本が右側に脱線 )〜亀裂が見過ごされたまま拡大して脱線につながった可能性がある。国の運輸安全委員会もこうした状況を調べている。・・・・・・・

本来強度を十分計算した上で作られているはずの台車枠。車両の寿命よりも早く亀裂が生じるようなら完全な設計ミスです。設計に問題がないとしたら品質管理、メンテナンスの問題でしょうか?あるいは製造時点で設計通りの耐久性を満たしていなかった可能性も考えられます。東武と新幹線では速度も掛かる荷重も全く違うので一概には比較できませんが、この二件の事象から何か共通の問題が浮かび上がってこないでしょうか?もし共通の原因に起因するとしたら、日本の鉄道メーカーも関わる大問題に発展しそうな気がします。

さらに問題なのは山陽新幹線管内の300km制限区間で既に台車がひずみを起こし、車軸や自由継ぎ手に異常が起きていた可能性があったにもかかわらず新大阪で運行を引き継いだJR東海側に報告されていなかったという事実。
事前に専門家が乗り込んで異常に気付き、運休を進言していたにもかかわらず、です。

定時運行の確度の高さは先日も20秒誤差をわざわざ謝罪する鉄道会社のメッセージが海外ニュースのネタになったほど。定刻至上主義ばかりが優先された結果だとしたら尼崎で起きた福知山線事故から何も学んでいないことにはならないでしょうか。

今回はたまたま名古屋で運転が打ち切られ、大事故には繋がりませんでしたが、もしも名古屋出発がもう少し早いタイミングだったらどうでしょう?のぞみは新横浜までノンストップ。270kmまで速度を上げていたかもしれません。高速走行中に台車側面の梁が割れて車軸を支持できなくなったら、この車両はこの後どうなっていたか?新幹線営業走行中の脱線事故は中越地震の例がありますが、あちらは速度の低い山間部で枕木もスラブ軌道の安定した地盤区間。古い規格の東海道新幹線で同じことをやったらどうなったか?誰も試したことがないのでICEの脱線事故のような大惨事にならないという保証はありません。

参考までに私はよほど時間に追われていない限り東海道在来線&名鉄、近鉄の愛用者です。

| 20:36 | コメント(0) | カテゴリー:吉田雅彦

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