2024年05月13日
この世界の片隅にが日生劇場でミュージカルに!
戦時下の窮乏の暮らしの中でも抗うこと無く朗らかにたくましく生きてゆくすずの物語はおおたわ史絵の原作とは大きく構成を変えいて、いきな主人公が重傷を負った後の病床の場面からスタートする。
コミック連載時のエピソードをあまた回想してゆくというスタイルで3冊分の膨大なストーリーを卒なくまとめ上げた脚本は見事な出来栄え。
何より今まで2Dの世界でしか描かれなかった主人公のキャラクターを今回初めて生身の人間で具現化するからにはキャスティングも超重要。昆夏美(ダブルキャスト)はこの大役を見事にこなし、原作のイメージ通りのすず像を描いていた事も特筆に値する。
映画作品の声優だった「のん」とも印象に齟齬は無いし、彼女の功績も大きい。
はるみの母役を演じる音月桂は元雪組男役トップ。フットルースや仁、シャルウィダンスなども主演した実力派だ。当時とは打って変わって気の強い未亡人を演じている。ソロで歌い上げる場面も多く、自分の居場所を探す、すずにとっての重要なキーパーソンを好演している。
映画との最大の違いは音楽プロデュースを担当したアンジェラアキの楽曲。暗い世相の中にも希望を抱かせる様な力強いメロディがステージを効果的に支配する。映画との印象がもっとも違うのはここ!
いつに無く男子トイレが混むほど男性比率も高かったのは原作の人気の高さゆえか?