2024年04月26日

オッペンハイマー(文庫版)

日本でも公開の映画で注目を浴びているオッペンハイマー
文庫本になっているけれど上中下の三巻と言う圧倒的なボリューム・・・・の中からとりあえず原爆投下前後に絞り込んで中巻の真ん中から読み始めます。

翻訳本の宿命か?原文には忠実なんだろうけど、面白うありません。
が、原爆の開発と同時に完成したらどう維持管理するべきか、についても頭を悩ませていたことがわかります。
圧倒的な破壊力をもつ原子力兵器はたった一発で戦局を左右しかねない、同時に開発中だった米ソが互いに核の軍備競争をはじめたら(それはまさしくその後の現実となるわけですが)・・・・・
彼の主張は、互いに情報を公開して核競争を未然に防ぐことでした。しかし現実にはロシアやイスラエルにおいて核使用の懸念が生まれています。
戦後、この主張が元で彼はスパイの嫌疑をかけられ公職追放の処分まで受けることになります。
確かに彼がいなくても他の誰かが原爆を作り上げていたかもしれません。が、彼の創った一発(と二発目)が彼の人生だけでなく世の中も大きく変えてしまう結果となったことは、彼の頭の想像図にも可能性の一つとして描かれていたのではないでしょうか?

それだけに原爆開発に成功した後の開発責任者としての苦悩は興味深いところです。
戦前から日本人研究者とは親交が深く、戦後も日本人研究者の招聘に尽力した彼の心中には原爆を投下した日本への贖罪の気持ちも含まれていたようです。そのあたり、これから読み進めていく中で詳細に解き明かされてゆくことでしょう。

複雑で難解な3時間の映画を見にゆくのは、もう少し読み進めてからになるでしょうか??

| 08:21 | コメント(0) | カテゴリー:吉田雅彦


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