2024年04月20日

52Hzの・・・を読んでみる

本屋大賞にも輝き、映画化もされた町田そのこの「52Hzのくじらたち」を読んでいます

Dsc06103


ゆえあって、携帯も解約し東京生活を離れて大分の漁村のはずれの一軒家に住むことになったキナコ
周囲ではあの女風俗嬢だとかヤクザのオンナだとか妙な噂を拡散させる婆さんがいる、ありがちな小さな村というコミュニティに。

雨続きのある日、中学生くらいの少女がびしょ濡れになって自分に傘を差し出してくれる。無理やりウチまで送ってもらい寒いからと無理やりお風呂にいれてあげようとすると華奢な身体中には無数のアザが。しかも少女ではなく少年だったのだ
謎解きっぽい始まりでスタートする物語は、遠い昔に縁もゆかりもない遠い地にポ〜ンとたった一人放り込まれた自分を見るようでもあります。
周囲に自分の出自を知る人はなく、自分も周りの誰一人として昔からの知り合いはいない・・・・転校ばかりだった自分が初めて親元をも離れてたった一人で暮らしを始めた遠い場所。
広い太平洋の深海でひっそりと誰にも届かない52Hzのつぶやきを放っているクジラのように・・・・

町田そのこ作品は今や書けば売れると言うくらいに人気のもの。本屋大賞に輝く本作品では不倫精算、女性の生き方話、歳下の少年との共同生活、と言う美味しい3点セットを備えている上、引越し前と後で孤独の声を聴く側、発する側を共に主人公に担わせているところが見事です。
とにかくヒットを量産し続ける彼女が次にはどんな題材を選んでくるのか
そしてどんなタイトルをつけるか?興味津々です

| 15:35 | コメント(0) | カテゴリー:吉田雅彦


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