2024年02月27日
アウトバーンと太陽の道
戦前のドイツに於いてナチ政権が掲げたアウトバーンとフォルクスワーゲンが経済発展の源になった
というのが定説ですがどうもそうでは無さそうです。
VWがポルシェ博士の開発によって唯一無二の優秀なクルマに仕上がったのは疑い様もありませんが、アウトバーンの計画はそもそも前政権から引き継いだもの。
その頃ムッソリーニのイタリアでは太陽の道と呼ばれる高速道路🟰アウトストラーダが着工していました。
アウトバーン建設が失業率低下につながったと言うのも数字で見ると違うようです。そしてプロパガンダの為のラジオ重視。コレも前の政権からのもので政権を勝ち取るまでのナチスの戦略はレコードや映画でした。
岩波新書 ナチスは良いこともしたのか?には様々な定説をひっくり返す事実が明かされています。
それと共に敗戦後のドイツで政権がとった様々な政策
国民が望むクルマを安価に生産しよう
旅行支援で労働者にリフレッシュしてもらおう
有給休暇をしっかりとることで労働意欲を高めてもらおう
おや!どこかで聞いたような政策がいくつも並んでいるじゃありませんか?
選挙遊説で飛行機を活用し全国行脚してみせる手法もmade byアドルフでした。
ことごとく今の政権がナチスのノウハウに倣っているのが不気味です。
そしてナチスが躍起になって力を入れていたのが軍事増強。軍事費を10倍増の勢いで増やし、その原資は公債の乱発で賄って、足りない労働力は外国人労働力を使った強制労働...
どっかの政権で辿ってる道はひょっとしてこの本にも書かれている事と同じ結末?
ただ単に過去の政権の話だと読み飛ばしてはおけない恐ろしい気配を感じずにはいられない一冊でした...
他方でもしも政権が博士にVW開発を命じなかったらどうでしょう?
一説にはフランスがポルシェの協力を得てルノー4CVを開発したとも言われますが水冷のリアエンジン4ドアは他国にもあるし世界で愛される国民車に育ったかは疑問です。
何よりビートルが無ければ356も生まれることなく、今日のポルシェ社もあったかは分かりません。
そんな意味ではナチスが残した数少ない財産と言えるのかも知れません。