2023年08月19日

高野豆腐店の春

と言っても こうや 豆腐の店
ではなく タカノさん の豆腐店です
ハルは店の一人娘でこの映画の結末を...

監督はこのオリジナル・シナリオを藤竜也の元に送り,藤は即応諾、速達で返事を書きました。オーダーメイドの作品はこうして撮影が始まります。藤は撮影前の下見から現地へ足を運び街に溶け込んでゆきます。
制作期間はちょうどコロナ禍にあった頃、尾道の街にある頑固な親父の豆腐店には一人娘の麻生久美子が同居しており...

もうこの設定だけでドラマチックな展開が目に浮かぶよう。
麻生久美子が魅力的に撮れているところもこの作品の見どころの一つです。

山田雅人 竹内都子 徳井優に菅原大吉といった面々の掛け合いはどこか吉本新喜劇のテンポを思わせる掛け合いでもあったり そして円熟味の増した藤竜也の朴訥な口調に小津安二郎作品の中の笠智衆を思い起こしたりするのは私だけでしょうか?

シーンの随所に出て来る尾道の景色もまた魅力的。対岸と行き来するフェリーに旅ゴコロを度々くすぐられます。

あらすじを記すまでも無くキャストを見ればおおよその展開は読めてしまう肩の凝らない作品は尾道を舞台に21世紀版の父と娘。劇場の入りも初日からまずまずで期待を裏切らない結果を残してくれそうです。

| 07:50 | コメント(0) | カテゴリー:吉田雅彦

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