2023年08月06日

berbie問題

バービー人形、うちにも4体ありました。
初期のモデルは肘が曲がらない7関節・自由度のもの。のちに肘も膝と同様クリックで角度が変えられるモデルに進化しました。
と言っても1960年台の遠い昔の話。祖母から妹へのプレゼントでした。

1970年代が近づくと男の子向けにも強力なコンテンツが生まれます。ミニカーのホットホイール。
車軸が細いピアノ線で、樹脂製の車輪は恐ろしくスピードの出る代物でした。このシリーズの最大の個性は専用のレールを繋いで、競争させたりアクロバティックな走行が楽しめたこと。見るだけで収束していたミニカーのあり方に一石を投じた大変革でした。ビジネスとしても単価の安い車本体ではなく付加価値としてのコースやアクセサリーで稼げる、新商法でもありました。

日本市場にも根深く浸透した玩具メーカーのマテル
最近、ある「いいね」をきっかけにしゃざいぶんを出す騒動に発展しました。
ことの起こりは11日公開のバービーが主役の映画。

制作時点や映画の内容には全く問題は無い(ものと信じます)が、たまたま原爆の父とされる開発者オッペンハイマーを描いた映画とアメリカでの公開日が重なったことが、不幸の始まり。

SNS上では二つの無関係な映画をコラージュして、バービーの画像に原爆のキノコ雲を重ね合わせたような画像をアップする輩が登場。そこまではアホなネット民の戯言、で済ませられる範囲でした。

が、この投稿にマテル本社側がいいねを押して賛同するようなコメントを載せたものだから、たちまち日本の反原爆感情が炸裂。
その批判内容はメディアで報じられている通り、マテルはとうとう会社として謝罪を余儀なくされる立場に追い込まれました。

もちろん大問題は、原爆に対するあの国の責任意識の希薄さ。原爆資料館をアメリカにも作らないとバカなアメリカ人の意識改革は不可能かもしれません。

それともう一つ、安易にいいねを押すことが時としてきぎょうりねん元話荒れかねない時代になったということ。
女性ジャーナリストの発言に対し、憶測や推測で批判めいた発言をした人物に名誉毀損訴訟が起こされた事例もこの類です。

ネットでの拡散がメディアミックスの一助となっている現代、企業のポリシーさえも左右しかねない、いいね問題はとても見過ごしていいね、とはいかない問題のようです。
今日8月6日は広島原爆忌。落とされた側だけでなく落とした側の記憶もしっかりと刻んでおいてほしいものです。

(ここで問題としているのは投稿に対する反応の問題であって、マテル社の製品に問題があるわけではありません。今後もホット・ホイールの新作に期待しています)

| 10:35 | コメント(0) | カテゴリー:吉田雅彦

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