2022年09月07日
ホンダ、LGとトヨタ、日産の未来
電動化に関わるニュースが連日経済紙のみならず一般紙も賑わしている自動車業界
8月末にはホンダ、トヨタが相次ぎ大型投資の発表を行っています。まずホンダが韓国のLG傘下企業と合弁で、アメリカにEV向け工場の新設を発表。投資額は計44億ドル、新型車が10台以上新開発できる巨額投資です。
一方トヨタも同じ頃にバッテリー生産設備を確保するということで、当然お相手はパナソニックと思われます。が、投資額はホンダのそれをはるかに上回りアメリカで30億ドル規模、日本でも4000億円規模の投資というから失敗は許されません。
・・・・・このニュースから1週間、日産が傘下に国内電池メーカを納めたというニュースが流れました。そもそも日産は当初NECと合弁会社を興し、サンドイッチ型のユニークなリチウム電池のパッケージを開発していました。しかし、これが中国市場のローカルコンテンツ法には適合せず、やむなく中国向けには現地調達を強いられています。よって合弁会社からは手を引き今に至っています。これでトヨタ、日産、ホンダの電池をめぐる覇権競争が明確になってきました。つまりトヨタはおそらくパナソニック、ホンダは韓国LG,そして日産は日立系のメーカーとタッグを組むことになります。さて、そうなるとgsユアサはどうするのか?
まだ去就のわからない、スズキが控えているのでもしかすると・・・・・
つまり...今まで海を渡ってきた原油頼みだった自動車の動力源が急速に電池頼みになってゆくわけで、オイルマネーを中東の富豪に貪り取られることも少なくなっていくのでしょう。でも、電池そのものはエネルギー源ではなく、ガソリン・タンク同様あくまでもエネルギーを貯める役割にすぎないので、そこに電力を注ぎ込むためのエネルギー源は、別に用意しなければなりません。
自然エネルギーや再生可能エネルギーの割合が増えた、とは言うものの多くを原油依存の電力に頼っていることは、この先もすぐには変わりそうにありません。原発を再稼働させて、あるいは新設して、脱石油化を図るべきなのか?それとも戸建ての家屋にはなるべく太陽光発電を義務付けて自給自足を促進させるのか?
水素を燃料とした燃料電池車や水素カローラなど水素供給インフラの普及も含めて自動車業界の未来は、まだまだ先を見通せない手探り状態が続きそうです。