2022年03月24日
夏物語
川上未映子の小説、夏物語が各国で絶賛を浴びています。
英訳版が海外でも高い評価を受けていて村上春樹も絶賛するなど著者の最長編作品ともなっています。
ベースにあるのは第138回芥川賞受賞作『乳と卵』で登場人物もだぶる部分がありますが、この作品の主人公は一人でそこそこ生きていける作家の卵
オンナの子ならだれもが秘める悩みや内緒にしたいコト。もちろん恋愛や子育ての問題も。作品では精子提供という手段でオトコに触れずに出産・子育てができないか悩む主人公を軸に話が展開してゆきます。 大坂の南港当たりの港町と船場をモデルにした架空の街から三軒茶屋へ。文庫版で600ページにも及ぶボリュームは朝の連続テレビ小説のネタとしても十分な内容が詰まっています。
最後まで読み進めてゆくと、この長いストーリーが恋愛ストーリーでもあったのかと気づかされますがクライマックスの描写はやはり男の私には想像すらつかない感動と喜びにあふれて・・・・・・
ネタばれしないうちに、是非読んでほしい一冊です。