2021年10月16日
日本兵最後の戦い
恥ずかしながら帰って参りました
は横井庄一さんがグアム島から日本に帰還した時の第一声
戦後27年も経って終戦を知ることになった元日本兵の突然の帰還に日本は騒然となりました。
フィリピンにもまだ日本兵がいるらしい
噂は何度か浮上していました。が、実際にコンタクトをとったのは探検部の日本人大学生でした。
存在を確認するだけでは無く、本人に終戦を伝えて帰国を了承させるのは横井さんの時ほど容易ではありません。その日本兵は陸軍中野学校出身の選り抜きのエリートスパイだったからです。
30年に及ぶジャングルでの秘密作戦
それは横井さんのケースとは大きく違い作戦行動そのものでした。上官の絶対命令は決して玉砕しないこと!命を保ち友軍の到着を待て、と言うもの
その為には食料の略奪や人命を奪うことさえ厭わない過酷なもの。指揮官としての責任とチームワークを維持する難しさ。
このほど映画になったonodaこと小野田寛郎元少尉は、あるいは小野田自然塾のリーダーとして有名かも知れません。知られざる小野田さんの
キャスティングがまた見事で上官を見事に演じたイッセー尾形もさることながら、壮年の小野田少尉を演じた俳優の顔が本当に帰国当時の小野田さんそのものに見えて来るから不思議です。
物語の圧巻は鈴木青年と小野田少尉の接触、帰国説得のプロセスですが、結果は知っていてもその過程をリアルに再現したこの作品は最後までグイグイ引き込まれる迫力がありました。
小野田さんのニュースを知らない世代や海外の観客には現実離れしたストーリーかも知れませんが、これも戦争の真実を描いた映画として今こそ見逃せない一本だと思うのです。