2021年09月19日
鈴鹿の陣
5月の耐久レースでデビューを飾った水素を燃やすエンジン搭載車が九州に続き鈴鹿の耐久レースでも完走した。
馬力を10%もアップさせて燃費はそのまま。5月のレースでは4分以上も要した水素ガスの充填作業も時間を半分に圧縮。二台の給・水素トラックをハシゴするより二台で同時に充填する方法に道が開けた結果だという。
その水素をどこで手に入れてどう運ぶかも実証実験を重ね運搬用のトラックも化石燃料を使わない水素活用にシフトしつつあるとか。レースで水素カーを走らせるだけでは無く実社会に水素カーを普及させる為の実証実験と考えれば、まだまだ第一歩に過ぎないもの。
今はまだ直接対決するライバルも無いで、単独の耐久試験と大差なくなってしまうものの、ライバル出現ともなれば開発の速度も技術の進歩も飛躍的に変化するだろう。水素燃料電池車をいったん休止しているホンダや二輪メーカーの参戦に期待したいところ
ドライバーも務める豊田章男社長の使命は次の代に花開くかどうかも不明なクルマ社会のもう一つの可能性にしっかりと道筋を付けること。
五輪は良くても4輪、2輪(レース開催)はダメ?
うまいっ!と座布団を用意したくなる名文句はトヨタ社長=豊田章男氏の弁。たしかに言い得て妙です。鈴鹿のF1然り、茂木の2輪グランプリ然り、お膝元の新城で予定された国際ラリーも今年は中止です。
海外から渡航するドライバー、メカニックが日本入国のメドがたてられず、軒並み国際レースが開催中止の憂き目に遭っています。五輪なら威信をかけてくれる行政も自治体もモータースポーツには冷たい態度。これでは、水素社会の実現はおろか、カーボンゼロ社会の到来だって夢物語に終始しないとも限りません。
モータースポーツは技術革新の先導役であったと同時に未来の可能性が試される社会実験の場でもあるのですから。