2021年06月29日

あの時のメモリー

来年7月以降に発売の新車からデータログ記録装置の義務化が決まりそうです。
飛行機でいえばフライトデータレコーダーみたいなもの、すべての旅客機に搭載されています。時間軸に沿って機体の姿勢や速度、舵の効かせ具合など何十もの項目をプロットしたデータを残せるもの。
クルマにもこれと同様の仕組みを持たせようというもので、例えばアクセル開度やブレーキペダルの踏力、或いは速度や燃費、エンジン回転数と言ったデータを時間を限って残せるようにしようというものです。

今のクルマは何でも電子制御でコントロールしていると言っても過言ではなく、例えばアクセルペダルは踏み込み量をセンサーが感知して、制御部分にデータを送っているし、ブレーキペダルも踏み込めば車速センサ、タイヤ回転数がたちどころに比較され、ロックしないように油圧を制御したり・・・・・ステアリングですら白線の内側から逸脱しないようにおせっかいなブザーで知らせてくれるのは常にポジションセンサーがアシスト量を判断しているからに他ならず、こうしたデータ類はその場その場で使い捨てにされるも同然だったモノ達です。

せっかくだからこうしたデータを一定時間メモリーに保存しておけばいい話で、そんなに大ごとな改造でもなければ部品代もタカが知れてる範囲でしょう。
一番恩恵を受けそうなのは実況見分に駆り出される警察のおまわりさんと保険の調査員ではないでしょうか?五個の物的証拠が飛躍的に増えるばかりでなく、操作のミス、判断の責任がどちらにあったのか?責任分担は何パーセントなのか?巻き尺で測るより遥かに正確に見極めがつけられそうです。

さて、このクルマ版フライトレコーダー、事故の抑止にはどうつながるのでしょうか?
安全運転していた、とうそぶく不埒な輩は減るかもしれませんが、ドライブレコーダーの義務化でもない限りあおり運転をすぐにも抑止できるかは疑問です。
そうはいっても、事故に至るプロセスの解明に役立つならば、巡り巡って未来の交通安全には役立つので、こうした取り組みは率先して実現してほしいもの。

もしかしたら、元通産省の上級に属する国民の一人がブレーキペダルを踏んでいた、と確信していたのは本当はその右隣にあるペダルだった、とはっきりデータを残していたかもしれませんから・・・・

| 20:19 | コメント(0) | カテゴリー:吉田雅彦

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