2021年03月06日
続・B面って何ですか?
日本では1970年ごろを境にカセットテープを使ったオーディオ機器が市場に溢れるようになりました。程なくラジオと合体してラジオカセットという商品が生まれ、ラジオを単体で購入するよりもポピュラーな存在になります。
音楽番組やお気に入りの楽曲を録音して個人として楽しむ事をエアチェックと呼んで、毎週発行されるFM雑誌にはプレイされる曲目が番組表とともに詳しく掲載されていました。
そんなカセットテープの生みの親、オランダ・フィリップス社の技術者だったルー・オッテンス氏が3/6(オランダ現地時間)に亡くなりました。
1970年代初頭、私が愛用していたのはオープンリールを使う古いタイプのテープレコーダーでした。モンキーズのTV番組からお気に入りの楽曲を選んで録音したり、こっそり深夜放送のレモンちゃんの放送を録音して何度も繰り返し聞いたり。
テープ幅は6ミリあって、放送局で使うフォーマットは秒速19センチ。幅一杯に1ないし2チャンネルの音声トラックを録音します。家庭用ではコレを上下2つに分けて表裏の往復方向で使えるようになっていました。
若い女子アナ達にはB面という概念が理解しづらい様子ですが、アナログ育ちの我々には A面があればB面もあるのは当然の摂理。
カセットテープでもこの方式は踏襲され、一度巻き終わったらひっくり返してまた同じ時間使えるフォーマットでした。テープをイジェクトしてひっくり返す手間を自動化してくれたのがオートリバース。全国の民放ラジオ局で放送されたラジオドラマのタイトルがこれです。
まだまだラジカセ黎明期の当時、東京に転居していった孤独な転校生だった私を慰めようと同級生達が懐かしい大阪の街からレポートをカセットテープに録音して郵送してくれました。ラジオの放送に興味を持ったのはそれからの事です。(このネタは就職面接でも多用しました!)
同級生達とは大阪で久々の同窓会で再会。今度はSNSは引き合わせてくれました。
オーディオ機材は80年代以降になると、CDやMD、更にはダウンロードやサブスクと表裏の無いフォーマットが台頭して両A面と言った概念も過去のものになろうとしています。
が、部屋にはカセットからCDやデジタルプレーヤーとのダビングが出来るコンポも、愛車スバルのカセットプレーヤーもまだまだ健在です!