2020年10月10日
midway
どうしても見逃したくない映画を観てきました。上映時間も遅くてすでにプログラムから外れているところも。
物語のスタートは1941年12月初めの空母エンタープライズ、2人乗り単発エンジンの雷撃機ドーントレスの怖いもの知らずのパイロット ディックベストの破天荒な訓練飛行から始まります。
燃料切れを想定してエンジンを止め、急降下で空母にアプローチしたら一旦水面すれすれまで降下して着艦の寸前にノーズアップ。速度を殺して無事に甲板にストップさせます。
そんな彼が太平洋戦争の最初の一撃ー真珠湾攻撃に遭遇してから最後の出撃までを辿ったのがエメリッヒ監督作品ミッドウェイです。
監督はこの一大決戦を入念にリサーチ、日本人キャストに豊川悦司の山本五十六始め浅野忠信ら実力派達を起用。日本海軍の視点からも仔細に描いています。
空母の数で言えば3対10で圧倒する日本海軍優位、に見えたこの海戦を如何に戦ったのか?パイロット達の戦いぶりを通して史実を忠実にトレースしています。
何よりの見所はスクリーン一杯に展開される迫力の空戦シーン!モデリングも作画もモーションに至るまで圧倒的な完成度の高さ!空戦フラップをいっぱいに広げた急降下爆撃のシーンはスリルたっぷりです。
戦勝国の目線で凱歌を上げるのではなく、敗者の側にも立ち、どう作戦を遂行し、何が敗因に繋がったのかも丁寧に描いています。
死傷者を多く出しながらも調印文書に優位なサインを記す事が本当に勝利なのか?国家が戦争に勝とうが負けようが、愛する妻や家族の元に元気で戻って来なければ、幸せな戦後を迎える事にはならない、そんな監督の想いが溢れているような作品に思えました。